先日のテレビで、ちょっと面白いニュースを取り上げていた。
「釣銭が解らない子供が増えている」というのだ。
そんな馬鹿な!引き算が出来ない子供が増えているのか?
と思いきや、意味が違っていた。
釣銭が解らない子供が増えている
「お釣り」を知らない子供達
ある小学校の3年生のクラス、算数の授業で先生が言った。
「1本110円のジュースを3本買って500円硬貨を渡しました。お釣りはいくらでしょう?解った人は手を挙げて」
ある生徒が手を挙げた。
「はい、〇〇君」
先生は指名する。
「先生、お釣りってなんですか?」
「・・・・」
笑い話ではない、実際にこの様な子供が増えているというのだ。
「キャッシュレス決済」がお金の環境を変えた
原因の一つが「キャッシュレス決済」、いわゆる「電子マネー」と呼ばれるものだ。
昨今、コロナ感染予防の一環としても利用が勧められている電子マネー。
クレジットカードによる決済はもとより、最近はSuikaのような交通系ICカードや、PayPayのようなQRコード決済型カードも一般的に普及してきている。
総務省の家計消費状況調査によると、世帯に電子マネーを持っている家族が居る割合は58.3%に上る。
2人に1人以上の割合で電子マネーが普及しているのだ。※(出典:電子マネーの利用状況|政府統計の総合窓口)
買物やお小遣いに現金を出さない親
今の親達は、買い物を電子マネーですませ、現金を使わない事が多いらしい。
当然子供は、お釣りを受け取る場面を見る機会がない。
物を買ってお金を渡してお釣りを受け取るという一連の動作を、見ていない子供が増えているのだ。
そして中には、子供のお小遣いを、Suikaで渡す親もいるという。
理由は、子供に現金を持たせると危険という事と、何よりポイントが付くからだという。
そして子供達は、「コンビニ」でおやつを買い、「電子マネー」で決済を済ませる。
当然、お釣りを受け取る機会はない。
すなわち、「お釣りって何?」となる。
昔はお釣りで足し算や引き算を覚えた
300円の物を買って10、000円札を出すと、9,700円のお釣りがくる。
普通は5,000円札1枚・1,000円札4枚・500円玉1枚・100円玉2枚でお釣りがくる。
10,000円札1枚で物が買えて、こんなに沢山の紙幣や硬貨のお釣りがくる。
10,000円札ってすごいんだ、と10,000円の価値を知る。
そうやってお金の大切さを学んだような気がする。
でも、電子マネーで決済をすると、どんな大きな買い物をしても、明細書1枚で全てが完結する。
電子マネーは便利だが、反面ゲーム感覚の様に、気軽にお金を使ってしまう危うさがある。
まとめ
自分の子供時代、母親の買い物についてまわり、お釣りの小銭をもらうのが楽しみだった。
百円玉1枚を握りしめて近所の駄菓子屋に走り、少しでも多くのおやつを買おうと真剣に悩み、お釣りはまた次回の為にと、貯めておくのが楽しみだった。
電子マネーも無い。
ポイントもつかない。
今よりずっと不便で貧乏だった時代。
でも、今よりずっとお金の価値が解り、大事にしていた気がする。
釣銭を知らない子供達が大人になった時、はたしてどんなお金の使い方をするのか?
少々心配になるのは、老婆心だろうか?