ニュースで取り上げられているのは、多分一つの例だろうが…
静岡県藤枝市の「ふるさと納税の返礼品リスト」には
「北海道知床ジンギスカン」
「鹿児島さつま揚げと黒豚」
…などが載っているそうだ。
ふるさと納税と聞くと納税先の特産物が貰えるもの、と思っていたが、最近は違うようだ。
ふるさと納税のサイト「ふるさとチョイス」で「静岡県藤枝市 海鮮」で調べてみると、「網走番外地食堂人気海鮮丼セット」や「横浜中華街からの直行便フカヒレ三昧 海鮮セット」などが載っていた。
こうなると、確かに普通の「全国のうまいものお取り寄せ」通販だ。
返礼品は、藤枝市内に本社、事業所がある会社が提供するもの
ふるさと納税の考え方や使い道は、それぞれの自治体が決めることになっている。地元の物でなければならない、という決まりはないらしい。ただ、ふるさと納税の本来の趣旨は「ふるさとの応援をすること」だ。
市外の特産物を返礼品にしている理由として…市内に事業所がある観光業者が取引先の自治体から「地元がふるさと納税に消極的なので、ここで出して欲しい」と頼まれたのでリストに加えた、という事らしい。
藤枝市の場合は「地域経済の活性化」を目的とし「地元農産物にはこだわらない」というポリシーなので、結果こういう方法を取ることになったということのようだ。(要は、市内に会社がある=地域経済の活性化 という考え方だ。)
今では、リストの3分の2が市外の物産で占められているらしい。
確かにメリットがないことは無い
その結果、寄付額は
15年度…1億9千万円
16年度…26億5千万円で、全国14位になった。
ま、確かに、納税したい自治体にこれといった欲しい特産物が無ければ、迷ってしまうのは確かだ。返礼品で選ぶか、納税したい自治体で選ぶかによっても違ってくる。
選ぶ側にしてみれば、網走の物が欲しければ、網走の返礼品を覗けばいいだけの話だ。が、納税は静岡県藤枝市にしたいが、お茶やみかんはいらない、と思った時に網走産のウニなんか見つけたら、ラッキー!と思うだろう。
それでも人気の返礼品は「地元農家の苺」や「抹茶ジェラート」だというから、市の担当者は、ホッとしているのではないだろうか。
ま、「通販カタログ」化は、悪い事ばかりではなさそうだが…
色々他地域の返礼品を見ていると、返礼品5種類しかないところや、種類が10ほどでも殆ど在庫がない自治体なども見受けられる。こうなると、ふるさと納税の恩恵は、大きい自治体や特産物が豊富なところに全部持っていかれてるのがげんじょうだろう、とつくづく思う。
生き残るすべとして、藤枝市のような手法も致し方ないのかもしれない。
だったらいっそ、全国の納付先と返礼品をまとめてしまえばいいのではないだろうか。
例えば、納税は旭川、返礼品は神戸肉と選べるようにする。そうすれば、もっともっと選択の自由度が増すだろう。
ま、そうなると本来のふるさと納税の意義がずれる可能性はある。人気、不人気の納税先、返礼品先の差が当然出てくるだろうな…
この考えは、パスだ。
なお、ふるさと納税に関しての記事がいくつかあるので、よろしければ…