警視庁は
交通安全の意識を高める為、
違反者講習で、
さだまさしさんの「償い」の
DVDを流す取り組みを始めた…
私は、初めてこの曲を聴き終えた時、一つの悲しいドラマを見終わった気分になった記憶がある。
納得した。
警視庁は、運転免許のドライバー講習に、さだまさしさんの歌「償い」の映像を6月から、東京都内の運転免許本部でのドライバーの講習会で流すことになったそうだ。
さだまさしが歌う「償い」とは
なぜこのDVDを流すかは、歌を聞けば、わかる、と思う。
この歌の歌詞は「交通死亡事故を起こした青年が、遺族に、7年間にわたり送金した実話」をもとにしたそうだ。
ユーチューブ⇒https://youtu.be/MzNeMZqNwL4
※実際流されているDVDではありません。
※残念ながらいつものような埋め込みはできませんでした。
※とある死亡事件で過剰防衛が認められなかったことから引用された動画のようです。
曲の中の主人公は、事故の加害者「ゆうちゃん」。
彼とその仲間の目線、彼の心情を歌っている。
実は、この歌に出てくる、被害者がさだまさしの知人女性だ。
その彼女の体験と事実を元に、さだが詩を作ったのだという。
交通事故でご主人をなくした奥さん。
事故を起こした相手は、真面目な人らしく、毎月賠償金が送られてくる。
彼女はその手紙を見るたびに、事故や亡くなったご主人を思い出し、辛い思いをしていた。
そして、(歌の中では「7年後」)…
生活も経済的に自立出来ていることから、彼女は、もう送らなくてもいいと返事を書いた。
しかし加害者は、手紙を受け取ったはずなのに、翌月以降もお金を送ってきた、いう。
過失事故と償いと許し
この歌を通して見えてくるのは「過失事故」と「償い」と「許し」とは何か?ということだ。
不注意で起こした事故。
そこで大事なのは「事の重大さをどう捉えるか」だ。
ゆうちゃんの場合、過失事故だ。
とは言え、伴侶を交通事故で突然失う悲しさは、計り知れない。
それがわかっているから7年もの長い間、毎月賠償金を払い続けていたはずだ。
それでも、決して償いきれないのが悲しく辛い。
受け取る側も、もちろん、辛い。
「失ったもの」と「受け取る償い」に込められた想い…
その狭間で生きた、彼を許すと手紙を書くまでの7年間が、悲しい。
故意、過失にかかわらず「事故を起こす」ということが「どんな不幸を招くか」ということを、改めて考えさせられる歌だと私は思っている。
この物語で「悪い人」は存在しない。
でも、事故は悲しい現実を作るのだ、ということを知ることが、自動車教習には必要だと、思う。
裁判所で引用される
この曲は、もともといい曲だが特に有名になったのは、ある裁判所で判決後に、引用されたことがきっかけだという。
その事件は、4人の少年が電車の中で足がぶつかったことから相手に暴行を加え、後に死亡したというもの。
裁判では反省の弁をしたものの、相手が酔って絡んだたための過剰防衛、を主張した。
だが、裁判中の彼らの態度や発言から、反省しているかどうか疑問を抱く態度を繰り返していたらしい。
…裁判長が、この事件の判決理由を述べあげた後、被告人2人に対し「唐突だが、君たちはさだまさしの『償い』という唄を聴いたことがあるだろうか」と切り出し、「この歌のせめて歌詞だけでも読めば、なぜ君たちの反省の弁が人の心を打たないか分かるだろう」と説諭を行った。by ウィキペディア
これは『償い説諭』と呼ばれ、マスコミに取り上げられた。