「両手に花の勝負師」のレビュー
「両手に花の勝負師」を見た第一印象は…「うーん、そうきたか!」ですね。
原作には無い登場人物やエピソードを加え、なおかつ、原作をオマージュした構成は見事ですね。
前回は原作のストーリーに多少(かなり?)脚色した感じでしたが、今回のは「全く別物」といっていい程の仕上がりになっていました。
伏線…
原作に無い部分として、最初に、一見の客がふらりとレモンハートに入って来ます。
その客の素性や職業を松ちゃんが予想するのですが、これが見事に見当違い…そこでマスターが優れた観察眼と推理力を駆使して、見事に職業を言い当てます。
おまけに、出身地が北海道の余市ということまでお見通しでした。
実はこれが次のストーリー展開への伏線になっています。
ところで、余市はNHKの朝ドラ「マッさん」の舞台でした。
「松ちゃん」と「マッさん」…ちょっとした洒落でしょうか?
そして、一見客がシングルモルト余市のオンザロックを飲んで最後に言うセリフ…
「たまにゃあ、帰ってみっかぁ」は北海道弁です。
思わず「クスッ」ですね!
「両手に花の勝負師」のストーリー
さて、レモンハートにツケが溜まっている松ちゃん。
何とかそれをチャラにしようと悪巧みを考えマスターに勝負を挑みます。
女性を2名同伴してくる松ちゃん。
そして、その女性をイメージしたカクテルを創って欲しいとマスターにオーダーします。
それを飲んで「美味しい」と言えばツケを全額払う、「いまいち」と言えばツケは水に流す…という条件を付け、勝負を挑みます。
そして、そのカクテルをチョイスした理由も説明してもらおうというもの。
しかし結果は予想通りでした。
二人の女性はカクテルを一口飲んだ瞬間「美味しい」と口を揃えてしまいます。
見事に松ちゃんの完敗でした。
そこでまた、マスターの見事な観察眼が披露される訳です。
最初のエピソードがあることによってマスターの凄さが更によくわかります。
物語の繫がりが自然で、見事でした。
「脚本の勝ち」ですね。
カクテルの値段…レモンハートの場合
ちなみに、松ちゃんの最初のツケは「52,000円」、次にカクテル2杯分を加えた金額は「54,800円」で2,800円増えていました。
つまり、レモンハートではピンクレディー・ブルーレディーは、それぞれ1杯1,400円なんですね。
通常だと、800~1,200円位がこのカクテルの相場です。
レモンハートは、若干高級路線というところでしょうか。
さて、物語の締めに、前回は「メガネさんのカクテル名鑑」でしたが今回は「松ちゃんのBAR名鑑」でした。
これもまた“食後のデザート”みたいで、楽しめますよ。
今日の酒役
・ピンク・レディ
・ブルー・レディ
カクテルなのでレシピを紹介します。
共通するのは
・ジン…TVではタンカレーを使っていましたね
・レモンジュース
・卵白
ピンク・レディ
・グレナディン・シロップ 15ml
・ジン 40ml
・レモンジュース1tsp(5cc)
・卵白 1個分
ざくろの優しい甘さが特徴
※グレナディン・シロップ
ザクロ果汁と砂糖の赤いシロップ
※1tsp=1ティースプン=5cc
ブルー・レディ
・ブルー・キュラソー 30ml
・ジン 15ml
・レモンジュース15ml
・卵白1個分
柑橘系の爽やかな味が楽しめるカクテルです。
原作「両手に花の勝負師」
【BAR・レモンハート 第14巻 PART.186「両手に花の勝負師」】
次回予告
次回作は、予告を見る限りでは「バレリーナの憂鬱」と「サケ・ア・ラ・カルト」の2つのストーリーの合体…
それにトシちゃんの彼女のナオミがメガネさんに迫るシーンがあったりと、これまた目が離せません。
乞うご期待!ですね。
ではまた…