「ガンコな味」のレビュー
ドラマの題名は「ガンコな味」。
原作は「おそれいりやのガンコ親父」
ドラマの舞台は「そば屋」そして使うそば粉は北海道産。
原作は「うどん屋」で小麦は長野県産。
しかし店名は両方共「がんこ庵」。
随所に脚本家の遊び心が垣間見える。
六平直政は、はまり役!
それにしても頑固親父役の六平直政、まさにハマリ役だった。
それと比べるのは可哀想かもしれないが、息子のタケシ役の杉浦太陽がイマイチかな。
演技が少し大袈裟過ぎる気がした。
ベテランの六平直政を前に気負いすぎたか?
物語は、レモンハートのカウンターでマスター・メガネさん・松ちゃんの3人が蕎麦を手繰っている場面から始まる。
しかし、その場面に何となく違和感を感じた。
あのメガネさんがカウンターで蕎麦?
その訳は、原作の25巻PART320「アブサンの泉」のワンシーンを思い出したからだ。
それは、レモンハートのカウンターで松ちゃんとトシちゃんがマスターの作ったラーメンを食べているシーンで、メガネさんが「二人とも腹がへってるとはいえ、バーでラーメンとは情けない」とたしなめている場面だ。
そんなメガネさんが、バーのカウンターで蕎麦を手繰るとは…と思ってしまったのだが、これはドラマのご愛嬌ということで納得しよう。
…さて、場面は進んで、頑固親父に「オヤジの蕎麦は古臭い」と息子が始めて文句を言ったシ―ン。
言い終わった息子に六平がドスの効いた声で一言「言いていことはそれだけか…」
普通はそこで息子を殴る…と思いきや、無言で店を出て行った。
その演出で、怒鳴ったり殴ったりするより緊張感のある場面になった。
さすが六平、圧巻の演技だ。(怖かった~)
このまま蕎麦を打たせてもらえないならタケシ君が可哀想だよと、なんとか助け舟を出そうと考える松ちゃん。
「わかりました」とマスター。
しかし、マスターの考えはタケシ君の味方をすることではなく、親父さんの頑固に隠された真意を伝えることだった。
酒役:グレンモーレンジ
ここで酒役の登場、「グレンモーレンジ」だ。
※1974はなかった
創業当時、ウィスキー用のポットスチルが買えず首の長いジン用のポットスチルを代用していたが、その後もこのスタイルのポットスチルを使い続けた。
またアメリカのミズーリ州に出向き、原木のオークの選別から始まり、膨大な手間と時間をかけて樽を作っている。
これらの作り方が、グレンモーレンジの唯一無二の素晴らしい味わいを作り出している。
マスターがこの酒をチョイスした理由…
それは、つくり手が頑固でなければ、この味が出ない、ということを言いたかったようだ。
頑固に変わらないもの、変わらない勇気にこそ価値があり、それこそが親父さんの蕎麦が美味い理由だと言うマスター。
タケシもようやく頑固親父の真意に気付く。
そしてラストの場面でガンコ親父がマスターを「これほど酒に頑固な男、そんじょそこらにはいねえからよ」と評する。
「最高の褒め言葉です、ありがとうございます。」とマスター。
…ちょっと強引な終わり方だなと思った。
ここは原作のセリフ通り「おそれいります」のほうが良かったかな。
ちなみに
マスターがあげた「そばにあう酒」の名前は
・ヘーゼルバーン
・ブナハーブン
・グレンフィディックピュアモルト
の3本だ。
時間があったら調べてみようか…。
第17回の酒予想
次回のタイトル「甘いお土産」。
原作は第30巻PART388だ。
松ちゃんの幼なじみ中山美智子は同窓会の幹事。松ちゃんに同窓会に出席して、と誘いに来た。
同窓会は、安芸の宮島でやるという。
松ちゃんは、その日が原稿の締め切りなので出れない。
松ちゃんが、昔好きだった吉永真理ちゃんもくると言って、さらに誘うのだが、やはり松ちゃんは出れない。
結局、松ちゃんへのおみやげを「吉永真理ちゃんに選んでもらうから」ということになった。
1週間後、中山美智子が松ちゃんへのおみやげを持ってきた。
安芸の宮島のおみやげ「もみじ饅頭のお酒」だ。
珍しくてインパクトのある名前。
このお酒から中山美智子の松ちゃんへの気遣いや気持ちが伝わってくる…
という、ちょっといい感じのストーリーだ。
もみじ饅頭のお酒
チョコ味、抹茶味もある。
このフォルム…おみやげに貰ったら喜ばれそうだ。
原作には「ミルクと1:1で割ると美味しい」らしいと書いている。
さて、どんなドラマになるかな?