サッカーのヘディングは、脳に悪影響を与えるという、少々ショッキングなニュースを見た。
とは言っても、即ヘディングが禁止されるというような内容ではなく、ヘディングの反復が子供の脳に悪影響を及ぼす可能性があるので、練習方法を考えては?という事なのだが。
スポーツの進化で練習方法が変わってきた
11歳以下の練習ではヘディングを禁止
グラスゴー大学の研究結果によると…
これは、スコットランドのグラスゴー大学による、「サッカーのプロ選手は、認知症など神経変性疾患による死亡リスクが高い。」という研究結果を受けて、イングランドのサッカー協会が2020年2月に、「11歳以下の練習ではヘディングを禁止する」というガイドラインを制定した事に端を発する。
これに伴い、欧州連盟もヘディング練習に対する指針を策定したが、JFA(日本サッカー協会)も対策を検討し始めたという事らしい。
ヘディングの練習方法
JFAの指針によると…
「小学2年以下はヘディングの練習に風船や新聞を丸めたボールを使い、3~4年生は通常より軽いボールを使う。5年生以上は普通のサッカーボールを使って良いが、ヘディング練習の回数に制限を決める」等々。
ヘディング練習を禁じるのではなく、より適切な練習方法による技術の習得を目指す事が望ましいとのこと。
更に、小学1~2年は風船を落とさない様にキャッチしたり、風船を額に当てる。5~6年生は高さを変えてジャンプヘディングを週に10回程度と、段階的な練習方法も例示している。
昔と違うスポーツの練習方法
スポーツの練習方法も、昔と今で異なる事が沢山ある。
良いと思われていた方法が、実は体に悪影響を及ぼす事だったり、全く意味が無かったこともある。
うさぎ跳び
例えば「うさぎ跳び」。
うさぎ跳びは足腰を鍛える為、様々なスポーツの練習として取り入れられてきた。
しかしこれは、無理な姿勢で股関節・膝関節・足関節を深く曲げる為、関節に強い負荷がかかり、トレーニングとしての効果より関節や筋肉を痛める可能性の方が高いという理由で今は禁止されている。
運動中の水分補給
例えば「運動中の水分補給」。
ほんの数十年前までは、スポーツをしている最中は水分を摂らない方が良いと考えられていた。
自分も学校のクラブ活動の時、練習の最中は水を口に含んだだけで飲まないで吐き出せと教えられてきた気がする。
当時は、過酷なトレーニングに耐えてこそ強い選手が育つ、いわゆるスポ根なる考えが主流だった。
しかし医学的な研究が進み、脱水症や熱中症は体内水分との関連性が高い事が分かり、その予防の為、今では運動中にこまめな水分を補給することが当たり前になってきている。
長時間トレーニング
例えば「長時間トレーニング」。
トレーニングは長時間行い、体に覚えさせてこそ効果があると考えられてきた。
学生時代は朝練・昼錬・夕錬と寝る間も惜しんで練習に勤しんだものだが、これも今では過重ワークとされており、それよりも短時間の効果的なトレーニングが推奨されている。
これらの事に共通するのは「スポーツ科学の進歩」だ。
道具の進化に伴い、練習方法や考え方も進化してきている。
今は常識になっている事や、最先端の考え方や技術も、何年か後には変わっている事だろう。
まとめ
「自分の常識は他人の非常識」という言葉があるが、スポーツの世界では(スポーツに限らず)「昔の常識は今の非常識」なのだ。
時代の進歩に取り残されない様、常に勉強し続けなければならないなと思わされたニュースだった。