道路を走っている時、あおり運転をされて身の危険を感じた時、運転席の上にあるボタンを押すとオペレーターに助けを求めることができるシステムがあることをご存じだろうか?
ドライバーの危険を察知したオペレーターはすぐ警察に連絡してくれる。もちろん車の現在位置も把握できているので「110番に電話するより対応が早い」というわけだ。
SOSコールとヘルプネット
あおり運転対策として欠かせないドラレコ(ドライブレコーダー)。装備していることで、相手を少しは警戒させられるかもしれないが、これは、あくまでも証拠映像を撮る道具でしかない。
そこで、ドラレコ以外の対策法として今注目されているのがSOSコールそして「ヘルプネット」だ。
今年3月販売された日産自動車の軽自動車、新型「デイズ」は、SOSコールがオプションで装備できる車として話題になった。このSOSコールは、緊急用システム「ヘルプネット」につながるシステムで、これまでレクサスなど一部の車に装備されているものと同じものだ。
日産車では、初めて、しかも軽自動車という事もあって話題になった。
もともと事故や急病を想定した機能
これまでレクサスをはじめ、トヨタ自動車、ホンダなど限られた車種で利用可能だった緊急用システム「ヘルプネット」。
ヘルプネットは、もともと事故や急病時を想定した機能だ。
運転中に急病や危険を感じた時、運転席の上にあるボタンを押すとヘルプネットセンターと繫がり、ハンズフリーで、会話ができる。もちろん、あおり運転を受けた時にも、活用できる。
ヘルプネットセンターとは
緊急通報サービHELPNET(ヘルプネット)のシステムは、以下の通り
・通報者と会話、状況を確認し、必要に応じ消防・警察に連絡
・会話と同時にデータを送信、発生場所、車両情報などを迅速に伝達
・正確な位置情報・車両情報により、救急車・パトカーが素早く現場に到着(必要に応じてドクターヘリも出動)
なお「ヘルプネット」を利用する場合、入会金や年会費などが必要なので、気になる方は各車販売所で確認するのが手っ取り早い。
事故が発生すると
・事故などでエアバックが膨らむと自動で通報する
・専用ボタンを押すとセンターのオペレーターと音声通話ができる
・カーナビから通報すると緊急通報データがセンターに送られる
…といういずれかの形でオペレーターに繋がる。
ヘルプネットセンターでは
オペレーター側では、緊急事態が発生した車両の情報や位置がわかるので全国の警察や消防の本部に連絡するようになっている。(デバイスは当然できている)
新型デイズのSOSコールの場合
HELPNETサービスが利用可能な車両
「HELPNET」サービスがレクサスには標準装備されているのは有名な話だ。
その他の車種では…
・トヨタ
・アルファード(2017年12月以降モデル)
・ヴェルファイア (2017年12月以降モデル)
・カローラ スポーツ
・クラウン(2018年6月以降モデル)
・センチュリー(2018年6月以降モデル)
・プリウス(2018年12月以降モデル)
・プリウスPHV(2017年 2月以降モデル)
・RAV4 (2019年 4月以降モデル)
などに標準装備されているらしい。
他、アクアやヴィッツなどはオプションとなる。
・ホンダもグレイス、ステップワゴンなどにオプションで付けることができるようだ。
・日産は今のところデイズのみ(オプション代、32,400 円という情報がある)だ。
※これまでヘルプネットサービスが使えた自動車メーカーはトヨタ、ホンダの2社だけだったが、2019年3月28 日に新たに日産、スバル、マツダが使えるようになった。三菱はまだらしい。
具体的には
あおり運転をされたら
1、通報ボタンを押し「あおり運転に遭っている」というと
2、オペレーターは警察に連絡をする
3、オペレーターとの会話が警察に切り替わる
4、ハンズフリーの状態で警察のアドバイスを受けて走ることができる
GPSの情報から現在地がわかるので具体的なアドバイスを受けることも可能だという。
あおり運転が話題になる前から通報はあった
ヘルプネットによれば、ニュースであおり運転が話題になる前から通報はうけていて、現在でも月に数件は通報があるらしい。「緊急時に使えるシステムなのであおり運転を受けた場合は使ってもらいたい」という事だ。※【ドラレコだけじゃない 「あおり対策」で使える新機能】日経ビジネス より抜粋
まとめ
なんとか警察に電話したものの、いつ何をされるか分からないという恐怖を感じながら、警察を待つ時間が、とても長く感じるに違いない。それに比べれば会話もできる、対応も教えてくれる…なんとありがたいシステムだろう。
年会費など色々かかるのも気になるが、これまで高級車にしか装備されていなかったコールボタンが軽自動車の「デイズ」にも装備することができるようになった、という事は、今後もっと広くこのヘルプネットが利用できる車が増えるだろうという期待感も高まったのも事実だ。
が、今のところ、新車を購入する余裕はない。
…とすれば、今はまず、どうしたらあおり運転の餌食にならないで済むのかという事もちゃんと確認しておいたほうがいいだろう。
https://www.takumi-inv.com/aori-taisyohou