アカハラ…
ハラスメントにくっつく用語は、色々あるが「アカハラ」は初めて聞く。
アカデミックハラスメント…要は大学(アカデミック)などで教職員が学生などに対して嫌がらせ(ハラスメント)を行うこと、らしい。
東京学芸大の50代の男性教授は「学生が内々定した企業に、取り消しさせるため、連絡を取ろうとした」などのアカハラを行ったとして諭旨解雇処分になったそうだ。
学生の内々定を喜ぶどころか、取り消させようと就職妨害する大学教授が東京学芸大にいたらしい。
…ちょっと深掘りしてみた。
東京学芸大によれば、50代の教育学部教授が学生に「悪質で不適切な言動を繰り返した」らしい。そのアカハラを受けた学生の中には精神疾患を発症したり、就職後も支障が生じている人もいるということだ。
どんなアカハラだったのか
2014年3月から10月の間…
・研究室の学生が内々定を受けたことを知り、就活担当に「内々定を取り消す方法」を問い合わせたり、内々定を出した就職先に、取り消しさせるため、連絡を取ろうとした。(一部の報道によれば「生活態度が悪い」と連絡していたらしい。)※内々定=企業側からの採用予定通知
・内々定先の企業の採用責任者に学生の情報を話し学生や卒業生らを登録したメーリングリストを使って学生に不安を与える(「内々定先の採用責任者に連絡を取った。内々定は法的に保護されない」など)メールを送った。
・研究室の仕事を優先させるため予定されているインターンシップの打ち合わせをキャンセルするように命じたと受け取れるメールを送った。
※インターンシップ=大学生が企業で、決められた期間働く「職業体験」のこと
・「研究室に来ないと留年させる」という主旨の嫌がらせメールも送っていた
東京学芸大の対応
東京学芸大は、8月30日付で諭旨解雇処分にしたと発表。
※諭旨解雇処分=説得して辞めさせる処分
その50代の教授は「アカハラ」を概ね認めていて、9月11日辞職したそうだ。
さらに東京学芸大は、「学生に心よりおわびしたい。再発防止に努める」とコメントしている。
その他にもいろいろあるアカハラ
ウィキペディアにもその事例がいくつか載っていたので紹介する。
事例
・岐阜大学の院生
…教員に研究や学問に関係のない内容での、正当な理由のない人格否定(「社会のクズ」と言われる)⇒裁判で110万円支払命令が出る・高崎経済大学生、「進級を質に取られた」学生が自殺
…不当に多い課題を到底不可能な短期間にこなし提出するよう指示…⇒准教授、懲戒免職・東北大学大学院、院生が2年連続で博士論文受理を拒否され自殺
…正当な理由を説明することなく、学位論文などを受理しない・京都大学大学院の元院生
…執筆中の論文を、担当教授との共著とするよう強要、拒むと留年させる⇒院生が訴訟を起こす・京都大学 大学院生
…建築学の研究を行いたかったにもかかわらず、子どもの行動パターンに関する研究を行うことを強要される。本来英語で研究の指導が受けられるということになっていたのに英語での指導がほとんど受けられなかった⇒自殺※ウィキペディア参照・抜粋
アカハラが学生に与える影響はかなり深刻
今回の事例の他にも、有名な大学や大学院で、アカハラがあり、自殺者が出ているとは…ちょっとびっくりした。
大学は、人生の中でも仕事や将来を見据えた重要な場所でもある。
その学生の一生が決まる可能性もかなり高いはずだ。
そこで、理不尽な扱いをされるということは…かなりキツイだろう。
キツイだろうが、苦労して、頑張って入った大学なら、なおさら簡単に辞められるものではない。
将来に影響するかも、と思えば我慢をするしかない、と思ってしまうのだろう。
これはかなりのストレスになるだろう。
若いし、大人ほどの強さも、まだ備わっていないだけに…
結局、自殺者や今回のような精神疾患を発症する学生が出てしまうのだ。
先生や教授というのは人生の師であり、信じられる者というイメージが強い。嫌がらせをされるなど、自分の人生では、想定外なだけに(ある意味いい先生ばかりだったので)ちょっとショックだ。
ま、考えてみれば確かに教授も人間だ。
成人君主ばかりではないだろう。
そう考えると大学は教授選びもかなり大事なのかな、と、改めて思った。