食品・飲料の売れ行きと、
天候・気温の間には関連性がある。
例えば、暑くなればビールの
売れ行きが伸びる。
理解は出来るが、こんなに本格的に
気候データが活用されているとは
知らなかった。
ウエザーマーチャダイジング(WMD)
WMDは流通業界で活用されており、「天気や気温などの気象情報を、商品販売や流通経路に活かしてゆく手法」のこと。
流通業界では以前からこの手法が活用されていた。
気温を例にとると、ある気温以上になると売上増が顕著に期待できる商品がある。
20℃以上でアイスコーヒー
25℃以上でビール・アイスクリーム
32℃以上でかき氷
などで、これらは昇温商品と呼ばれる。
逆に気温が下がると売れる商品もある。
18℃以下でおでん
15℃以下で日本酒・鍋料理
などでこれらは降温商品と呼ばれる。
各食品メーカーでは、日本気象協会が提供する気温や天候等の気象予報をもとに、これらの商品の生産量の調整を行い、不良在庫や返品による食品ロスを防いでいるのだ。
運輸業界とWMD
WMDは食品業界のみならず、運輸業界でも利用されている。
飲料などは、需要の予測に気温のデータが大事だが、近年の技術進歩や、海外機関のデータの活用により気温予測のスパンが長くなった。
これにより今までトラックでしか輸送が間に合わなかったのが船舶による輸送が可能になり、大幅な二酸化炭素の排出削減が可能になった。
また船舶の航路も、気象予測や海流予測により最適航路での配送が可能になり、燃料の節約にも繋がった。
地球温暖化の気象予測への影響
しかしながら昨今の地球温暖化による異常気象は、天気や気温の予測を一段と難しくしているようだ。
記録的な豪雨、猛暑、大雪は、日本だけではなく世界的に発生している。
2016年には世界の平均気温が3年連続で最高値を更新した。
これらは全て、地球温暖化によるものと考えられている。
地球温暖化の一番の原因とされる温室効果ガスの中で最も影響が大きいと言われているのが二酸化炭素だ。
前述のWMDのより一層の活用により「食品ロスを防ぐ=余分なものを製造しない=製造機械の効率的な稼働=二酸化炭素の削減」にも繋がると思う。
最近は様々な企業のコラボレーションが流行っているが、日本気象協会と食品業界とのコラボレーションには大いに期待したい。