三浦九段の潔白が発表された。
三浦博之九段は、離席の時間が多いことなどから
「対局中に将棋ソフトを使用したのではないか」
と疑いをかけられていた。
日本将棋連盟は、この疑惑について、第三者委員会を設置。
その調査結果、
「不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はない」
と発表した。
史上最年少の棋士がデビュー戦で最年長の棋士に勝ったというニュースが先日あったばかりの将棋界。
その余韻が残る26日、あの三浦九段の潔白が発表された。
不正の根拠と捜査結果
1、将棋ソフトとの一致率
不正の根拠としてあげられていたのが『将棋ソフトとの一致率』
前に記事にした時は、その一致率が93%と言われていた。
⇒三浦九段、将棋ソフトとの一致率93%が意味することとは?
ところが調査した結果、分析ごとに、その一致率にばらつきがあったため「不正の根拠とはならない」と判明したらしい。
2、対局中の離席の多さ
三浦九段との対局中に不自然な離席を対局者が指摘していた。
それについては…
「対局者が不快感をもったかもしれないが、離席のあり方がそのまま不自然というわけにはいかない」とした。
他にもスマートフォンやパソコンの解析も行なった。
が不正行為を伺わせる痕跡は確認されなかった。
こうなると将棋連盟が当時下した彼の出場停止処分が正しかったのか?という疑問も浮かぶが…
将棋連盟は「三浦九段の出場停止処分は、当時の判断としては、やむを得ない事だった」としながらも「辛い思いをさせてしまった、申し訳ないと思っている」と謝罪した。
三浦九段の思い
「棋士にとって対局を止められることは、こういう世界で生きている人間にとっては極めて深刻な問題」
※三浦九段の師匠西村九段の言葉
「難しいことだけれど元の状態にもどせるならもどしてほしい」
「不審な点がなかったのなら、なぜ出場させてくれなかったのか」
と彼は、言う。
わずか数日前(22日)に終わった、竜王戦7番勝負。
出場停止によって竜王戦7番勝負に出場できなかったことは、かなり悔しかったに違いない。
この問題が取り沙汰された時から、三浦九段は一貫して無実を訴えていた。
が当時は、同じ棋士や対戦相手の口から「1億%クロ」とか「限りなくグレー」とか…
怪しむ言葉がいくつも出ていた。
このように同じ棋士から疑われていたことも結構ショックだったようだ。
今後、三浦九段の処分が解かれ、対局を再開することになる。
疑っていた相手とも対局することになると思うが、お互いいい気分で対局はできないだろう。
今回の結果を受けて「クロ」とか「グレー」と言っていた人達の今の気持ちも、かなり気になる…
ちなみに…
三浦九段が出場予定だった竜王戦7番は(優勝賞金は4,320万円で、将棋界最高金額)は22日に終わった。
彼の出場停止を受けて、代わりに挑戦者となったのが三浦九段に負けた丸山忠久九段。
結果…現竜王の渡辺明が防衛した。
将棋連盟の対応は、ある程度評価できる(私の感想)
三浦九段自身は、将棋連盟に受けた処分や対応で感じた不信感はそうたやすく消えるものではないだろう。
が、コチラ側から見る限り将棋連盟は、
「素直に結果を報告し、素直に謝り、今後も彼が対局しやすいように頑張る」
と言っているので、いい印象をうける。
そして今回の責任をとる形として代表はじめ理事7人を減給とする、など、誠意がある対応のように見える。
やっぱり将棋という世界の頭のいい人達の対応は、他に比べると大人だなぁ、と改めて思った。