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将棋棋士、公式戦でのスマホ持込み禁止! 将棋ソフトを使った不正防止のためか?

社会

日本将棋連盟の発表によると、12月14日より、将棋会館(東京・大阪)で行われる公式戦の際、スマホ・ガラケー・タブレット等の電子機器の持込が禁止される。

更に、対局中は敷地内から出る事も禁じられ、昼夕食事に外出する事も出来なくなる。

公式戦でのスマホ持込み禁止!

公式戦に電子機器持込が禁止される背景には、近年プロ棋士と遜色ない力を持つようになった
コンピューターの将棋ソフトの台頭があるようだ。

電子機器持ち込み禁止の背景

最良の一手をコンピューターに任せようという輩が出てくるのを防ぐのが大きな理由といえよう。

コンピューターVSプロ棋士

そもそもコンピューター将棋の歴史は、50年程前に遡る。

当初はプロ棋士の棋譜を元にしたプログラミングが試みられたが、その実力はプロ棋士に勝てるものとは程遠かった。

しかし、ソフトの進化は大方の予想を覆して遙かに早く、2013年の電王戦(コンピューター対人間の将棋)に於いて、初めてコンピューターがプロ棋士に勝利したのだ。

そして、2016年の第1期電王戦では、プロ棋士が2戦2敗を喫している。

今やその棋力は、プロ棋士と何ら遜色無いとまで言われている将棋ソフト。

その進化したソフトをプロ棋士の公式戦に持ち込むのは、
やはりカンニングと同じで立派な?不正行為であろう。

対局中、外出はおろか敷地内から出る事も禁止?

公式戦での対局で電子機器の持込が禁止されると同時に、対局中の外出も禁止される。
やはり、外出先でのスマホ等を使った不正行為を防ぐ意味合いが強いのだろう。

「将棋の対局の最中に外出?」と思われる方も多いと思うが、対局時間というのは、想像以上に長いものである。

プロ棋士にとって最も重要な「順位戦」などは、持ち時間が一人6時間もある。二人合わせると12時間だ。

通常は午前10時に対局が始まる。
そして昼夕に各40分の休憩(2016年6月より)を挟む。

つまり対局者が持ち時間を最大限に使えば、対局終了までに13時間20分かかることになる。

午前10時に対局が始まり、終了はなんと深夜1時20という計算になる。

この間、外出はおろか敷地内からも出てはいけないことになる。
これは厳しい。

しかし、不正を未然に防ぐ為には、止むを得ない措置なのだろう。

プロ棋士にとって順位は直接収入に響く大事なものであり、それを決める順位戦を公平に行う為の新たなルール作りだ。

礼節を重んじる将棋界でも、6割以上の棋士がこの新ルールを指示したというのも、時代の流れで必然なのかもしれない。

タイトル戦

尚、将棋会館で行われる公式戦の他に、主に地方の旅館やホテルで行われる「タイトル戦」というものがある。

主な7タイトルは以下の通り。
1.竜王戦(推定賞金額4200万円)
2.名人戦(2000万円)
3.王位戦(1000万円)
4.王座戦(800万円)
5.棋王戦(600万円)
6.王将戦(300万円)
7.棋聖戦(300万円)

さすがに2日間に渡って行われるタイトル戦では、外出禁止というのは厳しいのか、対応は主催者側に一任されるとのことだ。