道の駅で「ハタケシメジ」(食用キノコ)として販売されたキノコが、実は、有毒な「クサウラベニタケ」だった…
道の駅「風の家」で販売されたこのキノコを鍋にして食べた60歳代~70歳代の男女2名が嘔吐や吐き気の症状が出たらしい。
その家族を診た病院からの通報で発覚した。
道の駅で毒キノコ販売?
9月25日、岡山県真庭市の道の駅「風の家」で、野菜売場に出荷されていた「ハタケシメジ」5パックの中に、有毒きのこの「クサウラベニタケ」が混入していた。
中毒症状が出た家族は、親戚が道の駅「風の家」で購入したキノコを分けてもらい、26日に鍋にして食べたらしい。
その1時間後、家族2人に嘔吐や吐き気の症状が出た。
27日、岡山市内の医療機関から岡山市保健所へ「きのこによる食中毒を疑う患者を診察した」との通報があった。
販売店を管轄する真庭保健所が残品を回収し、岡山県森林研究所において鑑 定した結果、ハタケシメジとして販売されたきのこが有毒きのこの「クサウラ ベニタケ」であることが判明した。
※岡山の保健所のPDFより抜粋
クサウラベニタケとは
調べてみるとこのクサウラベニタケは、色や形が、食用きのこの「シメジ」に似ているので間違えられることが多い。
そして地方によって、呼び方もまちまちだ。
・めじんなかせ(岩手,青森県)
・にたり(埼玉県,前橋市,大分)
・あぶらいっぽん(前橋市)
・ささしめじ(金沢市)
・にせしめじ(秋田,青森地方),
・うすすみ,さくらっこ,どくよもだけ,どくしめじ(秋田県),
・いっぽんしめじ(岩手,新潟,富山,長野県)
・あしぼそしめじ(埼玉)
※厚生省HPより
中でも特に顕著な名前として「名人泣かせ」というのがある。
(ま、毒キノコにはよく付けられる事が多いセカンドネームでもある)
それほど食用のシメジに似ているからだろう。
他には「一本シメジ」という名前。
多分これは、生え方の特徴で、食用シメジと見分ける一つの目安なのだろうと思う。
そう、
「シメジ」の多くは、数本、根がかたまって生えているのだ。
それに対し、
毒キノコ「クサウラベニタケ」は1本で生えているのが特徴だ。
生え時は、これから。
夏から秋にかけて広葉樹付近に生えるらしい。
クサウラベニタケの特徴(見分けかた)
「クサウラベニタケ」は…
・傘はねずみ色か灰褐色
・傘の表面に繊維模様がない
・ひだは薄いピンク(白)
・もろい
間違えやすい食用キノコ
クサウラベニタケと間違えやすい食用キノコは、ウラベニホテイシメジ,ホンシメジ,ハタケシメジ。
写真を見る限りウラベニホテイシメジは特に似ている気がする。
クサウラベニタケの中毒症状
中毒症状は
・食後20分~1時間程度後に現れる。
・嘔吐、下痢、腹痛、発汗など。
道の駅「風の家」のその後
「風の家」のHPには、「25日に野菜売り場で『ハタケシメジ』をお買い上げいただいたお客様へ」というコメントが出ていた。
・9月25日にハタケシメジを購入した人への呼びかけ
・9月27日から10月1日まで野菜売り場での「野生のきのこ類」の販売を停止したこと
・予定していた風のまつり10月2日(日)が中止になったこと
…などだ。
心ある対処だと思う。
きのこ中毒にならないため4原則
知らないきのこは、絶対に
①採らない、②食べない、③売らない、④人にあげない
〇厚生省のHP
…毒キノコによる食中毒に注意しましょう⇒http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kinoko/
まとめ
よもや道の駅で、毒キノコは売っていないだろうし、良かれと思って買ったお土産がまさか毒キノコだったなんて…という親戚の気持ちを考えると、可哀そうな気もする。
それほどと言ったら失礼かもしれないが、生命の危機もなかったようでもある、良かった良かった。
これらからは、キノコの季節、毎年このようなニュースが出る。
くれぐれも気をつけて欲しいものである。