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キャンプでカレーを作るのはなぜ?

チコちゃんに叱られる

キャンプの定番料理といえばカレー。
でも、一体なぜカレーなんだろう?

…という話。

キャンプでカレーを作るのはなぜ?

4月9日のNHK「チコちゃんにられる!」のゲストは山下智久と大地真央。
「この中で一番、アウトドアが似合う素敵な大人」という事で山下が指名される。

チコちゃんが「…学校行事とか、子供の時とか、キャンプに行った人も多いと思うが、そういう時、飯ごう炊さんとか、野外でみんなで作る料理って(カレー)。…何でキャンプでカレーを作るの?」と聞く。

山下の答えは「みんなで食べやすい、というのと野外なんで体もあったまる…考えたことなかったけど、より簡単に作れるから」だったが「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られた。

◯チコちゃんの答え
⇒キャンプでカレーを作るのは、男女の仲を深め「健全な夫婦」にするため~

カレーを作るのは男女の仲を深めて完全な夫婦を作るため

詳しく教えてくれるのは、子供の野外教育に詳しい、聖徳大学教育学部 神谷明弘 准教授。

「カレーを作るのは、男女の仲を深めて『完全な夫婦』を作るため。カレーを男女で作ったらコミュニケーションが生まれるしさ、いい感じにならない?」と先生。

スタッフは「それって先生の感想じゃないんですか?」というと「いやそうじゃないんだよ。おおよそ約70年前、国が決めた方針」という。

約70年前、国が決めた方針とは?

第二次世界対戦後の1940年代後半から50年代 、日本の占領政策を行っていた GHQ が、日本を新しい国にしていくためにとった政策の一つが男女平等

GHQ は、それまでの男性中心の社会を問題視し、教育基本法を制定して、男女共学を定めたり、選挙法を改正して、二十歳以上のすべての男女に選挙権を与える、など男女が格差なくコミュニケーションをとれる健全な人間関係を目指した。

GHQ が推奨したキャンプ

その中で青年男女の健全育成のために GHQ が文部省に推奨したのが、キャンプ。

多くの教育者や福祉関係の関係者を集めて、アメリカのグループワークを学ぶ機会が設けられた。
その時紹介されたプログラムの一つが「キャンプ」だった。

1950年にアメリカの教育者が GHQ に提出した報告書「第二次米国教育使節団報告書(1950年)」には、

・屋外教育は少年少女に(中略)共に働き、学び、遊ぶ、機会を提供するものである。
・レクリエーションの計画は、キャンプ計画と共に、青少年犯罪防止に対する積極的手段となる。

…など、キャンプが青少年の健全育成のための有効な手段であることが書かれていた。

合わせて、フォークダンスやキャンプファイヤーも青年男女の健全育成のために GHQ が推奨したものだという。

「キャンプというのは、グループで行う活動。様々な場面で協力しないとうまくできない。だからコミュニケーションが生まれて自然に芽生える(男女が一緒に活動をして仲を深めて、新しい家族を作る)と考えられた」と先生は言う。

青年男女がキャンプなどの野外学習の中で仲を深めることが、健全な夫婦を作ることにつながると GHQ が考えていた。

文部省がつくった青年の家

これらの事を受けて文部省が作ったのが青年の家。
山の麓などで自然が豊かな場所に作られ、広大な敷地に若い男女が集まって、野外学習をする施設。

1967年に文部省が発行した青年男女の交際に関する報告資料には「青少年団体が行う集会・旅行・キャンプ、そしてフォークダンスなどのレクリエーションを通じて、男女の特性が理解され、男女交際のあり方が自ら身につく」と書かれている。

青年の家で行われたプログラムには「自然研究」「ハイキング」「野外調理」など、書かれている。

野外炊事でカレー作り

「この野外炊事で推奨されたのがカレー作りだったんだ」と先生。

実際、国立中央青年の家の1964年度の報告資料には、若い男女がカレーらしきものを食べている姿が載っており、茨木市青少年野外活動センターの1980年代の報告書には、しっかり「カレー」と書かれている。

なぜカレーだったのか

1950年頃、固形カレーのルーが誕生
「簡単に作れるようにはなったが、当時はまだまだ食糧難の時代だった。特別な洋食だったんですよ」と先生はいう。

だから青年の家でカレーが食べられると宣伝されると、多くの若者達は興味を持って、そこに参加をする、ということになった。

そしてカレーにした理由がもう一つ。
レーは料理としては簡単だが、野菜の皮を剥く、切る、煮込む、さらにはご飯も炊かなければいけないなど、意外に調理工程が多い

「…だから、男性はどうやって作るんだろうって考えて。これね、これどうすればいいの?とかさ、女性に聞くじゃない?…こういうことによって会話が生まれた」と先生。

神谷先生によると、会話が生まれやすいということは、それだけ性格や魅力が伝わる機会が増えるので、男女の仲が深まりやすく、さらにキャンプファイヤーやフォークダンスなどの野外レクリエーションによって、より親密な関係になりやすかったという。

キャンプというプログラムが健全な出会いを生みだすことになり、結果的にはカレーも男女が会話を生み出すきっかけとして広がっていった。

実際青年の家をはじめとする青少年施設や子供会などの野外炊事では、今もカレーが取り入れられ、定番メニューの一つとしてして親しまれている。

 

スタッフが「先生あの、おっしゃってることよく分かったんですけど、キャンプで出会って素敵な夫婦になった人いるんですか?実際」と聞くと先生は「僕!まさにそうです。」と答える。

(先生は、キャンプで奥様に出会ったらしい。カレーも数えきれないほど作ったらしい。そして、先生の仲の良かったグループ4組が自分を含めてみんな結婚したそうだ)

その後…

キャンプをでカレーを作ると男女の仲が深まる…いいことを聞いたディレクターは、素敵な出会いを求め千葉県にあるキャンプ場へ一人、行った。

結構人がいるので、一緒にカレーを作る女性を探す。
しかし、素敵な関係になれそうな女性はこのキャンプ場にはいなかった。

結局一人でカレーを作り、一人でカレーを食べ、余ったカレーを助手席に乗せ一人で帰った…というVTRが最後に流れた。

※以上4月9日NHK「チコちゃんにられる!」より参照・抜粋

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