「スタミナをつけなきゃ!」という時、なんとなくニンニク食べよう!って思う。
けど、なぜニンニクはスタミナの元って言われるんだろうね?…っていう話。
なんでニンニクはスタミナのもとなの?
3月19日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、高橋ひかるとウエンツ瑛士。
「…元気モリモリでスタミナがある大人ってだあれ?」というこで身体で元気をアピールする高橋が指名される。
高橋は「スタミナをつけたい時ニンニクを食べるが…なんでニンニクはスタミナのもとなの?」と聞かれるが困った顔をして「しらな~い…」と言う。
そこでチコちゃんは、分かりやすく「ニンニクを食べるのは人間ぐらい。人間がニンニクを食べるようになった原因を知りたい」と改めて聞く。
すると高橋は「ニンニク…球根か。掘ったらお花みたいな形でかわいかったから、むいてみよ!食べて見よ!…生でかじってみたら…臭い!ちょっと○○…おいしい!」と答える。
〇〇で正解だったらしく、チコちゃんは「おまけで…つまんないやつだなぁ~」と言う。
◯チコちゃんの答え
⇒ニンニクがスタミナのもとなのは、人間が火を使う生き物だから
ニンニクは人類にとって重要な食べ物
詳しく教えてくれるのは、日本のニンニク研究の大一人者、日本大学の有賀豊彦名誉教授。
先生は「そもそもニンニクは弱った体を強くする働きがあり、数千年にわたって人間の生活を支えている、人類にとって非常に重要な食べ物」と言う。
古くは古代エジプトでピラミッドを建築する際、その労働者たちがニンニクを食べていたとされ、ピラミッドからはニンニクが描かれた壁画や、ニンニクの模型なども出土している。
この当時から力仕事を行う労働者たちのスタミナの源として、ニンニクは重宝されていた。
ニンニクは「アリシン」で身を守っている
実はニンニクを食べるのは人間だけ。
その重要なカギになるのは、ニンニクの持つ硫黄成分。
硫黄とは、多くの温泉に含まれ、その独特な臭いの元になっている成分のこと。
ニンニクは地中からこの硫黄成分を吸収し、貯め込む性質を持っている。
通常、ニンニクは、細胞の内側に硫黄成分を貯めている。
ニンニクを切ると、細胞の内側にあった硫黄成分が外に出て、ニンニク外の酵素と反応し「アリシン」という成分に変化する。
アリシンは(ニンニクを切ったり、すったりしたときに出る)強い刺激性のある匂いのもと。
ニンニクはこの強烈な匂いの元であるアリシンで、自分たちを食べに来た、動物たちを遠ざけ、身を守っている。
多くの動物は本能的にニンニクを避けるため、周りにニンニクを植え、農作物を守るために使われるほど強力なアリシン。
火を使って「アリシン」の刺激を無力化
しかしニンニクにとって思いもよらない強敵、それが我々人間。
ニンニクにとって人間が強敵になる理由、それが火。
人間は火を使って加熱するという手段によって、アリシンを封じ込め、刺激を無力化することに成功した。
アリシンは、加熱することによって「スルフィド」という別の成分に変化し、強い刺激がなくなって食べやすくなる。
そして火を使う我々人間だけがたどり着いた、このスルフィドこそが人間にとって、スタミナの元になる理由でもある。
スタミナの元「スルフィド」
スルフィドは体内に入ると、血流をよくすると同時に脂肪を熱に変換するように働きかける。
これにより体温が上昇し、本格的な運動をする前に準備運動をした時と同じような状態に。
さらに副腎と言う部分を刺激して「アドレナリン」の分泌を促す。
このアドレナリンの働きにより筋肉内の血流が増えて活発に動かせるようになる。
つまりスルフィドが体のいろいろな部分に働きかけ、運動するための準備を整えてくれる。
また、ニンニクは、スルフィドの元となる成分を他のスタミナ食材よりも豊富に含んでおり、効果を感じやすいという特徴もある。
人間だけがニンニクに火を使ったことで、たどり着くことができた「スルフィド」。
これによって我々は、スタミナ効果を得ている。
また、火以外に酢や油でもアリシンを抑えることができる。
いずれの工夫も、我々人間独自のニンニクを美味しく食べるための知恵。
これらの工夫により、ニンニクは世界各地で多種多様な料理に使われ、美味しく食べられている。
世界の絶品ニンニク料理を紹介
ニンニクをふんだんに使った世界の絶品ニンニク料理を紹介。
◯ジョージアの伝統料理「シュクメクリ」
…表面をカリッと焼き上げた鶏肉に、たっぷりのニンニクを投入し、香りを引きだす。
そこに牛乳や生クリームを加え、煮詰めていけば、ニンニク入りクリームシチューのようなシュクメクリの完成。
ご飯との相性も抜群の為、遠いジョージアの料理でありながら牛丼チェーンの人気メニューになるほど日本でも愛されている。
◯今韓国の人気SNSグルメ「マヌルパン」
…韓国語でニンニクを意味する「マヌル」の名にふさわしく、オリーブオイルにこれでもかと言わんばかりの大量のニンニクを入れ、香りを引き出したガーリックオイルにマヨネーズなどを加えた特製ソースをたっぷりとパンに浸みこませ、オーブンでこんがり焼き上げたら完成。
ガーリックオイルに加え、中にクリームチーズが入ったハイカロリーな料理、罪悪感が凄いとSNSで話題に。
◯ニンニクを丸ごと使った中央アジアの国民食「プロフ」
…ニンニクは丸ごと、玉ねぎや羊の肉などと一緒に炒め、そこにお米を加えて作る、炊き込みご飯のような料理。
ニンニクは食べる時に皮をむいて、ご飯と一緒に食べるウズべキスタンの定番料理。
スタッフに「先生の印象的なニンニク料理はあるか?」と聞かれ、先生は「…中国に行った方に聞いた話で、現地の人たちが生のニンニクをそのままポリポリ食ていたそう。それは衝撃的でしたね。
たくさん食べ過ぎなければ、身体に悪影響はないんだと思うが、まさか生でポリポリ食べるというのは、ニンニクも火を使われた以上に想定外だったんじゃないでしょうかね」と言う。
※稀に自然界の動物がニンニクを食べる場合もあります。
愛ちゃん情報
ニンニクは美味しいので、ついついたくさん食べたくはなるが、硫黄成分が非常に濃いため食べすぎるとお腹をこわすこともあるので、くれぐれもニンニクの食べ過ぎには注意。
※チコちゃん情報
先生の一番好きなニンニクの食べ方…細かく切って揚げたガーリックチップスを温かいおそばに入れる。
※以上3月19日NHK「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋
まとめ
・ニンニクは体を守るため、あの強烈な刺激臭を出している。
・刺激臭のもと「アリシン」は火を使う事で無力化されスタミナの元「スルフィド」という成分になる。
・にんにくは食べ過ぎるとお腹をこわすことがある。