この時期(空気が乾燥していることも影響しているのかわからないが)、唐突に体のどこかがかゆくなりやすい。
そんな時は、無意識にかいてしまうのだが、実は「かく」よりも「冷やす」方がと皮膚を傷つけずにかゆみを継続的に抑えることができるらしい。
「かゆい」ってなに?
12月18日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは杉本哲太と川田裕美。
「お肌がきれいな素敵な大人」と聞かれた岡村は「敢えてわたくしが…」と立候補した。
チコちゃんに「かゆいってんなの?」と聞かれた岡村「神経系統できたか」とつぶやく。そして「乾燥!…お肌がかゆい、というのは皮膚の神経の水分不足です」と答えるが「ボーっと生きてんじゃねーよ!」叱られた。
◯チコちゃんの答え
⇒かゆいのは、体によくないものがついたサイン
かゆみ=軽い痛み、ではなかった
詳しく教えてくれるのは、順天堂大学医学部でかゆみについて研究している、髙森健二特任教授。
先生に「かゆいって何だと思いますか?」と聞かれたスタッフは「…調べると、かゆいっていうのは軽い痛みと書いてあった」と答えると「それは情報がアップデートできていませんね」と言われる。
人類が誕生してから700万年もの間、人々はかゆみが何であるのか考えてこなかった。
かゆみの研究がされるようになったのは1950年ごろ、その頃からおよそ50年くらいは「かゆみ=軽い痛み」と考えられていた。
1997年に、それが間違いだったとはっきりわかった。
それまでかゆみを感じる神経はないとされ、痛点にある痛みの神経が感じる弱い痛みがかゆみと考えられていた
痛みは皮膚だけでなく身体の臓器が傷ついても、痛みを感じるが、かゆみは体内の臓器では感じない。
胃が痛い、という事はあっても胃がかゆいという事はない。
「かゆみ」とはいったい何なのか
かゆみは体を異物から守る防衛反応であり、警告反応でもあった。
例えば
・服を着て背中がかゆくなるのは「かぶれた」からでなく「皮膚にかぶれなどを起こす太くて硬い繊維などがついたよ~」という警告のサイン。
・虫に刺されてかゆくなるのは、虫が刺して体内に入った毒でかゆくなっている、と思いがちだが、実は「毒のせいでこれから炎症がおきますよ~」と体が出している警告のサイン。
「かゆみ」はかゆみを伝える神経から脳に伝わる
そしてかゆみは、痛みを感じる痛点ではなくかゆみ感じる痒点(ようてん)の真下にあるかゆみを伝える神経を通って脳に伝わっていることが、約25年前に分かった。
皮膚にかぶれを起こす異物がついたり、虫に刺されたりすると、その場所に近い「肥満細胞」と呼ばれる細胞からヒスタミンというかゆみ物質が分泌される。
これがかゆみの神経を通じて脳に伝わり、異常が起きている場所をかゆみという症状で我々に知らせている。
かゆくなったら、かいてしまうのはなぜ?
「ちなみにかゆくなったらどうしますか?」と聞かれたスタッフは「もちろんかきます」と答える。「じゃぁ、なぜ、かくんですか?」と聞かれると…「え?」としか答えられない。
かゆいと無意識に行うかくという行為。
なぜかくのか?
先生は「実は最新の研究で痛みの神経がかゆみの神経をおさえることが科学的に明らかにされた」という。
かゆいところをかくと近くの痛みを感じる神経も同時に刺激さ、れギャバ(GABA)やグリシンという物質が分泌され、これがかゆみを伝える神経を抑えるので、かゆみが収まる。
…つまり痛みを与えることでかゆみを抑えている。
かくより、冷やす!
「かくよりももっといい方法がある」と先生。
それはかゆい部分を冷やすこと。
冷やすことで、皮膚表面はずーっと痛みを感じている状態になるので、かゆみを継続的に抑えることができる、という。
氷をずっと持っていると氷に触れている部分が痛いと感じる。
このように皮膚を冷やすとそれを痛いと感じるので皮膚を傷つけずにかゆみを抑えることができる。
ただし、命に関わるような病気がある場合もかゆくなることも…
先生は「それなら、かゆくなったら冷やせばいいじゃん」と侮ってはいけない、という。
実は身体を異物から守る防衛反応以外に、命に関わるような内蔵の病気がある場合、身体の表面が猛烈にかゆくなることがある。
例えば、ガンになるとがん細胞からかゆみ物質が放出され、かゆみの神経を伝わって、痒点がある皮膚の表面がかゆくなると考えられている。
肝硬変、糖尿病、悪性リンパ腫など、かゆみが体の異常を知らせる重要なサインなので、それを放っておくと死に至ることもある。
先生は「脅すわけではないが、かゆみは決して侮ってはいけない」と言っていた。
ちなみに…
先生(でも)かゆい時、手が届けばひっかくし、手が届かなければ、柱にこすり付けてかくそうだ。
※以上12月18日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照
まとめ
これまでかゆかったら「かく」。
それでおさまらなかったら「叩いてかゆさを誤魔化す」。
でも叩いてダメな時は「またかく」。
結局「血が出るくらいかく」ことも多々あった。
これからは冷やしてみるか…。