眠れない時に数えるのは、なんで羊なの?
12月11日の「チコちゃんに叱られる!」のゲストは西川清と高橋みなみ。
最初の疑問は「眠れない時に数えるのは、なんで羊なの?」
寝顔がステキな大人として回答者に選ばれた西川。
「イギリス人が決めた。羊をお世話しながら18ホール回ったりする…」と答えた所でチコちゃんに「ゴルフ?なんで羊とゴルフが繋がったんですか?ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られた。
◯チコちゃんの答え
⇒眠れない時に数えるのが羊なのは、ヒツジというとリラックスするから。でも日本語じゃダメ!
「ヒツジ」が眠りに切り替わるスイッチになる?
詳しく教えてくれるのは、眠りのメカニズムについて長年研究している日本睡眠改善協議会理事長の白川修一郎さん。
眠る時は自律神経をリラックスした状態に切り替える必要がある
白川さんによれば…「人が眠る時、自律神経をリラックスした状態に切り替える必要がある」という。
自律神経とは体全体の動きをコントロールする神経(交感神経と副交感神経)の事。
体が活発な時は交感神経の動きが勝っているし、副交感神経が勝っている時はリラックスしている状態である。
眠る時はこの副交感神経を高める必要がある。
つまり、起きている状態から眠っている状態への切り替えのスイッチになるのが呼吸であり、切り替るのに「ヒツジ」が適している、ということなのだが…
英語の「シープ」でやらないと意味がない
でも、これは「英語のシープでやらないと意味がなくて、日本語のヒツジでやっても眠くならない」という。
寝る前に羊を数えるという習慣は、「shoop(シープ)」と「sleep(スリープ)」の発音が似ていることから英語圏で始まった。
1970年代以降、アニメなどを通して日本に伝わった際「sleep(シープ)」がヒツジ」と訳され、定着。
「『シープ』と声に出したらわかるが、この呼吸法が眠るのにとても大事」と白川さんは言う。
検証1
そこで英語の「シープ」を数えると自律神経の状態と呼吸がどうなるのか、スタッフの一人に測定器をつけて検証してみた。
ちなみに数え方はワンシープ、ツーシープスではなく複数形でもシープということ。
頭を使うとリラックスできなくなるのでシープと言い続けるように…ということだった。
検証の結果
シープと言い続けて
・1分後、副交感神経の動きが強くなり、それまでバラバラだった呼吸が等間隔になる。
・4分後、呼吸がゆっくりのまま、交感神経の方が強くなってくる。
(理由は副交感神経が優位になった反動で交感神経が一時的に高まったため)
・5分後、再び副交感神経の働きの方が勝ってくる
・7分後、声が聞こえなくなり…寝た。
(脳波も覚醒から睡眠に切り替わった)
日本語の「ヒツジ」は、意味がない!
白川さんは「シープという言葉は息をゆっくり吐くからこそ意味があり、日本語の『ヒツジ』は息をゆっくり吐かないので数えても全く意味がない」という。
実際、先ほどの実験と同じように「ヒツジ」でも検証を行ったが、呼吸は浅くて速いままでリラックス状態には切り替わらなかった。
ポイントは長音を声に出すこと
眠りを誘うにはには、英語のように伸ばす音、長音を声に出すことがポイントだとわかった。
するとスタッフが「ゆっくり息を吐く言葉だったら何でもいいってことですよね?」と聞く。
白川さんは「そうなる」と答えた。
そこで今度は、「シープ」より早く眠りにつきやすい言葉があるか追加調査を開始した。
検証2
先ほどのスタッフに1日一つの単語
・シーサー
・ヒーハー
・チャーシュー
・コーセーロード―ショー(厚生労働省)
をつぶやいてもらう事になった。
条件:毎日同じ時刻に寝て同じ時刻に起きるという生活を繰り返す。
検証結果
その結果…
・2位 コーセーロード―ショー12分
・3位 チャーシュー14分
・4位 シーサー16分
・5位 ヒーハー19分
となった。
結局、「シープ」が7分だったので1位ということに…。
この結果に白川さんは「『ヒツジが一匹…』は日本で眠る言葉として定着していて、シープは眠るイメージに繋がった」と言っている。
愛ちゃん情報
「厚生労働省」で、すぐに眠れたことに白川さんは驚いていたそうだ。
その理由として「とても好きな物、苦手なもの、難しい言葉、はイメージした時に脳が興奮して眠れなくなることがある。検証したスタッフは厚生労働省という言葉が難しすぎて、脳が考えることを止めてしまい、結果早く眠れた」と言っていたそうだ。
※以上12月11日放送NHK「チコちゃんに叱られる!」より、抜粋・参照