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トランプのスペードのエースだけ大きくて派手なのはなぜ?

チコちゃんに叱られる

年末やお正月人が集まると、誰でも遊べるトランプがでてくることが多い。

そのトランプの中でひときわ派手な柄と言えばスペードのエース。

この特別感の意味をチコちゃんが教えてくれた。

なぜ、スペードのエースだけ大きくて派手なの?

10月29日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは北村北斗(SixTONES)とYOU。

トランプを上手にシャッフルできる素敵な大人という事でが指名を受けたのは北村。

チコちゃんに「トランプの4枚のエースのうちスペードのエースだけ大きくて派手なの?」と聞かれ「トランプ界にカーストが存在して、数字の中でエースが一番最初。さらにスペードが最上階ランクだから特別仕様」と答えたが、チコちゃんに叱られる。

◯チコちゃんの答え
⇒スペードのエースだけ大きくて派手なのは脱税を防ぐため

きっかけはイギリスのトランプ税

詳しく教えてくれるのは大阪商業大学、アミューズメント産業研究所の高橋浩徳先生。

「…きっかけは18世紀のイギリスのトランプ、18世紀前半のイギリスは度重なるフランスとの戦争で財政難だった。そこで新たな税金『トランプ税』を考え出した。」という。

アジアで誕生したトランプは14世紀ごろにヨーロッパに広まった。
18世紀のイギリス国内ではトランプを使った違法なギャンブルが流行しトランプが飛ぶように売れていた。

国はトランプに税金を高い税金を賭ければ、お金は入り、違法な違法なギャンブルも減るだろうと考えた。

トランプを販売しているメーカーはきちんと税金を納めた証明として1セットあたり1枚のカードにスタンプが押された。

それが「スペードのエース」だった。

トランプの作り方

トランプを作る時、1枚の大きな台紙にすべてのカードを印刷する。
この時スペードが上の段に印刷されることが多く、裁断して揃えるとスペードのエースが一番上になりやすかった。

この頃のスペードのエースのマークはまだ他のマークと同じ大きさで、余白の部分に税金を納めた証拠のスタンプが押された。

メーカーと役所のイタチごっこ

この頃掛けられた税金があまりにも高かったため、「脱税を企てるトランプメーカー」と税「金を納めてもらいたい役所」のイタチごっこが始まった。

すると…
「NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場」が始まった。

「NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場」~エースをねらえ!~

1711年ごろのイギリス。トランプメーカーの社長が税金を役人に渡していた。

税金を納めてもらった役人(役:モーリー・ロバートソン)は、鼻歌を歌うほどの上機嫌。そして「高いトランプ、頑張って売ってね」社長にいう。

一方のトランプメーカー社長(役:厚切りジェイソン)は「こんな高い税金取りやがって!」と怒っている。

「一番高いトランプの値段は4ペンス。なのに税金が6ペンス。これじゃ、トランプの売値(10ペンス)の6割が税金じゃないか!。誰がこんな高いトランプを買うんだ、いーじょう!」

税金が始まった1711年には6ペンス、1801年には2シリング6ペンスにまで増税された。

わかりやすく現在の円の価値に換算すると…
仮にトランプの原価を200円とするとおよそ400の税金が860円に跳ね上がったようなもの。

「これじゃ商売あがったりだ」と嘆く。

偽造スタンプが世に出回る

そして…新たに印刷された多くのトランプがあることに気付く。
そこへ従業員(役:チャド・マレーン)が「お疲れ様です」とやって来る。

社長は「こんなに新しいトランプを作ったって納める税金ないぞ!」というが従業員は「大丈夫ですよ」と取り出したのは、納税スタンプ。「何でそんなものお前が持っているんだ?」と聞くと「こんなスタンプ簡単に真似できますよ」という。
押してみると確かにそっくり。

メーカーは納税を納めていないのに納めたように見えるスタンプを偽造。
こうした偽のトランプを押した税金を納めていない違法なトランプが世の中に出回った。

偽造されたと知る役人は怒り「偽造されにくいスタンプを作るんだ!」と部下に命令する。

複雑なデザインにしていったものの…

当初のスタンプはデザインが単純だったためすぐに真似された。
そこで模様などを複雑にして真似されにくい柄へと変わっていった。

ところが新しいスタンプを作っても作っても、結局真似されてしまうというイタチごっこが繰り返された。

その中で模様はどんどん複雑になり現在のスペードの元となるマークを囲うスタンプも誕生した。
がこれも偽造されてしまう。

役所から印刷されたスペードのエースが渡されるが…

1785年スタンプの代わりに生まれたのが…納税いた証として後からスタンプを押すのではなく既に印刷されたスペードのエースそのものが税金を納めた証明となる。しかもそのデザインは簡単に真似できない複雑なものだった。

「このスペードのエースを使っていないトランプは使う事ができません」という。

それを聞いた社長は落ち込むが、従業員は「そんなに落ち込まないで」と言う。そしてポケットから取り出したのはやはり「偽造したスペードのエース」、納税の証であるカードそのものを偽造した。

それを知った役人は「すぐにデザインを変更するんだ!」と部下に言う。
結局トランプを作る側と役人とのいたちごっこは続くことに…

その結果…

次々と出される新しいカードを見せて「こんなの作れるか?」と聞く役人。
「はいはい、こんなん出来ました」と(偽造カードを)出して見せる従業員。

1828年にはまるでお札の模様のような複雑なスペードのエースが登場。

さらにこれだけでなく役人はとんでもない策を打ち出した。

「聞いて驚くな!税金は半分以下だ!これでもやるか?」という役人。
「やってやりましょうよ!」という部下に社長は「待て、アホらしくなった。もう偽造やめた」

「1800年代前半のイギリスは経済が好調だったので、トランプからわざわざ高い税金を取って偽造が横行するよりは、税金を安くして偽装を無くし確実に納税してもらう方が効率が良かったんでしょうね」と先生は言う。

1862年になると税額はさらに引き下げられ、トランプ会社が自由に印刷できるようになった。
この頃からスペードのエースのデザインはメーカーの顔としてオリジナリティに富んだカードへと変わっていった

その後イギリスでは、1960年には廃止されるがスペードのエースは大きく派手なまま、残り続けている。

愛ちゃん情報

日本にもトランプ税があった。
1989年の消費税導入前までトランプ・花札・麻雀パイなどに、「トランプ類税」という間接税があった。
1962年以降はトランプ一組当たり40円。納税の証明としてトランプ類税証紙が張られていた。

※以上10月29日NHK「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照

今のご時世なら、洗えるトランプもあります。

まとめ

印刷後、一番上にあったのがたまたまスペードのエースだったので、スペードのエースだけが税金のために派手な絵柄になってしまった。

という事は、もし一番上のカードがハートのエースだったなら、ハートのエースが派手になっていったかもしれないのかな…おもしろいなぁ。

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