今住んでいるのは一戸建て?マンション?アパート?
一戸建てではなく集合住宅の場合、建物の名前に〇〇マンションとか〇〇アパートとか、それなりの言葉が付いているならともかく、カッコイイカタカナの名前しかない場合、いったいどっちなんだろうと思った事はないだろうか?
アパートとマンションて、なにが違うの?
5月22日放送の「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、3回目登場の和田アキ子(オリジナルメンバー)、2回目登場ウェンツ(準レギュラー)。
この日、1個目の質問…
「住む家にこだわっている素敵な大人」ということで和田アキ子が指名される。
チコちゃん質問は「アパートとマンションてなにが違うの?」だった。
和田の答え「根本的に違うのは、アパートはわりと2階とか3階あるけどマンションはエレベーター…」と答えてチコちゃんに叱られる。
さらに「アパートって木造が多い、マンションは鉄筋とかじゃない?」という。
チコちゃんは「そう思っちゃうでしょ…でも建物の材質は関係ないんです」とキッパリ。
和田はその後も思いついた答えを色々言ってみるがどれも違うようだ。
○チコちゃんの答え
⇒アパートとマンションの違いは…借りるのがアパート、買うのがマンション
アパートもマンションも集合住宅という意味で使われている
詳しく教えてくれるのは住宅事情に詳しい、日本マンション学会の会長も務めた早稲田大学法科大学院の鎌野邦樹教授。
先生によれば「アパートもマンションも、一つの建物に複数の住まい(住宅)が入っている集合住宅という意味で使われている」という。
そもそもアパートは英語で集合住宅を表わす言葉「apartment」から造られた言葉。
マンション「Mansion」は英語で大邸宅という意味。日本ではどちらも集合住宅という意味で使われている。
先に生まれたのは「アパート」という言葉だそうだ。
集合住宅の歴史
この二つの言葉、なぜ生まれたのか、なぜ区別するようになったのか日本の集合住宅の歴史をたどればわかる、と先生は言う。
明治時代「アパート」上野俱楽部 誕生
明治時代、大都市に人口が集中し、横ではなく縦に階を重ねる集合住宅「アパート」が誕生した。
日本で最初に作られたのは1910年(明治43年)東京上野恩賜公園の側に建てられた「上野俱楽部(5階建て、63室、木造…当時としては異例の高さ)」。
この上野倶楽部が出てきてから「アパート」という言葉が広く一般的に使われ始めたが、それでもアパートの数は全国的に少かった。
関東大震災1923年(大正12年9月1日)後、アパートの建設ラッシュ
関東大震災によって多くの住宅がなくなり、住宅不足を解決するために「同潤会」(財団法人)が住宅不足を解消するために東京や横浜にガスや水道、水洗トイレなどの最新設備を備えたアパートを次々と建設した。(かつて表参道のシンボルであった「同潤会青山アパート」もこの頃造られたアパートの一つ)。
その後、日本中でアパートの建設ラッシュが起こるが、その後、第2次世界大戦で再び多くの人たちが住む家を失ってしまう事になる。
第2次世界大戦後 団地誕生
戦後、復興に向かう中で都心に人口が集中したため、住宅公団が住宅不足の解消のために大規模な集合住宅「団地」の建設を始めた。
高度経済成長期には大きな集合住宅が一つの大きな町のように立ち並ぶマンモス団地が誕生した。中でも東京高島平団地は、倍率2,000倍の入居希望者が殺到するほど大人気だった。
1953年 分譲の集合住宅誕生
こうした戦後の復興の流れの中で集合住宅の新しい仕組みが生まれた。
1953年に、一つの建物にあるたくさんの部屋を別々の人が買う分譲の集合住宅が誕生する。
それまでの集合住宅は(建物全体の持ち主である大家さんに家賃を払って部屋を借りるという)賃貸の形がほとんどだったが、新たに建物の中の部屋をそれぞれが買って持ち主になる分譲という仕組みが生まれた。
法律上マンション(分譲集合住宅)第1号「宮益坂アパート」
東京渋谷に誕生した日本初の分譲集合住宅と言われる「宮益坂アパート」。
ちなみに国民の平均年収が約34万円だった当時、1室の購入価格は80~100万円だった。
「買うってことは宮益坂アパートはマンション?」とスタッフが聞くと先生は「当時はまだマンションという言葉が無かったのでアパートと呼ばれていた」という。
(だが、宮益坂アパートは後に法律上最初にマンションと言われる。)
名前にマンションが付いた第1号「信濃町アジアマンション」
やがて建物に豪華なイメージを持たせるためハイツheights(意味:高台)、コーポcooperative house(意味:共同住宅)、レジデンスresidence(意味:邸宅)など、様々な名前が付けられるようになり、これと並んでマンションという言葉が使われ始める。
日本で初めてマンションと付けられたのは新宿にある「信濃町アジアマンション」。
この時点ではマンションは名前だけで法的にはアパートとの違いははっきりしていなかった。
分譲の集合住宅の定義と法律
賃貸住宅の場合、建物の持ち主である大家さんが共用スペースの管理や建て替えの判断などを行っている。
しかし分譲の集合住宅はアパートと違い大家さんがいないため共有スペースに関する問題が出てきた。
例えば
①廊下に私物の自転車を置いて住人の通行を妨げる
➁階段で毎日の様に読書をする
③住人全員が通る玄関で立ち話をする
…など、共用スペースで起こる問題を誰が解決するのかはっきりしていなかった。
その問題を解決するために1962年、部屋の持ち主たちで管理組合を作るなどみんなで共有スペースを管理しようという法律「区分所有法」ができ、2000年には住宅の共有スペースの問題を専門家に相談できる法律「マンション管理適正化法」ができた。
「マンション」とは
この時、この法律に当てはまるマンションの定義を定めた。
つまり集合住宅のうち一つの建物の中に別々の所有者の部屋が二つ以上あるものを法律上「マンション」と定め、それ以外はアパートとなった。
ちなみに現在「賃貸マンション」と書かれているこれはマンションの部屋を買った人がさらに別の人に部屋を書いているなどの場合があるそうだ。
愛ちゃん情報
例えば法律上、マンションになる建物でも〇〇アパートという名前をつけたりアパートに○○マンションという名前を付けても法律的には問題ないそうだ。
※5月22日放送NHK「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋
まとめ
借りるのがアパート、買うのがマンション…
なるほど…腑に落ちた。
ちなみに…
今新型コロナの影響かなんか知らんが、中古マンションが売れているらしい。
うちも昨年マンションを売ったが、まぁまぁの値段で売れた。
もし考えているなら、売るのも買うのも今…かもしれない。
チコちゃんは1LDKKKの家に住みたいという。
キッチンを和洋中と揃えたいそうだ(笑)。