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ジェンダーレス時代の到来と企業の取り組み

ジェンダーレス気になるキーワード

最近、よく「ジェンダー」という言葉を耳にする。
まだ記憶に新しいが、今年3月、森・元東京オリンピック、パラリンピック組織委員会会長が、JOC臨時評議員会で「女性蔑視」ともとれる発言をしたことで「ジェンダー」という言葉が一気に注目を集めた。

ジェンダーレス時代の到来

自分も含めて、この「ジェンダー」という言葉の意味を正しく理解している方は、案外少ないのではないだろうか?

「ジェンダー」とは

つい最近まで、私も「ジェンダー」の意味を、単に男女の区別だと思っていた。

しかし、正しい意味は…
生物学的な性別に対し、社会的・文化的に作られる性別の事を指す。すなわち、男女の社会的・文化的役割の違いや、男女間の関係性を示す言葉」となっていた。

つまり、「男は社会に出てお金を稼ぎ家族を養うもの」や「女は家を守り家庭を守り子供を育てるもの」といった概念的な事の方が「ジェンダー」の意味をより的確に表していると言える。

ジェンダーレスな社会

今や世界的な風潮となった「ジェンダーレス」。

「ジェンダーレス」とは、社会的・文化的に求められる性差を表す「ジェンダー」の境界をなくすという考え方のことを指す。つまり、社会で認知されている「男性らしさ」「女性らしさ」といった区別を取り払うことが、重要なテーマとなる。

ディズニーのジェンダーレス(ジェンダーニュートラル)

米ディズニーは、2021年4月13日に、関連テーマパークのキャストのドレスコードに関する制限を緩和すると発表した。

従来、ディズニーのキャストは行動基準である「安全・礼儀正しさ・ショー・効率」の「4つの鍵」に基づいて、厳しいドレスコードが定められていた。

それらは、爪の長さや装飾品の種類・数の制限、髭や髪型に至るまで、事細かに決められていた(キャストは夢の国の一部であるという共通性を形作る為のファクターであった)。

しかし近年、そこに「多様性の受け入れ」が加えられ、新たに「5つの鍵」としてのディズニードレスコードが誕生したのだ。

それによりキャストは、自分たちの文化や個性をより自由に表現することが可能になった。
これも、ディズニー流ジェンダーレスの表現だろう。

auじぶん銀行のジェンダーレス

厳密な意味でのジェンダーレスとは少し違うが、「auじぶん銀行」も、今年の4月19日に興味深い取り組み発表した。

それは、「4月23日からじぶん銀行で住宅ローンを組む時の連帯保証人や担保の提供者として、同性のパートナーを指定できる」というもの。

手続きには、同性パートナーと共同で作成した公的な書類の提出が必要だが、auじぶん銀行では「今後も多様性を尊重したサービスを提供してゆきたい」としている。

日本航空のジェンダーニュートラル

最後に、もう一つ。
日本航空(JAL)は、英語ではお馴染みの「レディース・アンド・ジェントルメン(淑女並びに紳士のみなさん)」という呼びかけを、2020年10月1日で廃止している。

新しい呼びかけは「アテンション・オール・パッセンジャーズ(乗客のみなさんにお知らせいたします)」だ。

しかし、このようなジェンダーニュートラルな呼びかけを採用している航空会社は、まだまだ少数との事だ。

まとめ

モータースポーツの世界3大レース(モナコGP、ル・マン24時間耐久レース、インディ500)の一つ、毎年5月に開催されるインディアナポリス500(通称インディ500)は、モータースポーツファンなら誰でも知っている有名なレースだ。

既にジェンダーレス?インディ500の場合

このレースは、ある有名なアナウンスから始まる。
「ジェントルメン・スタート・ユア・エンジン!」だ。

この伝統あるレースに、女性ドライバーが初めて参戦した時にアナウンスはこう変わった。
「レディ(ス)・アンド・ジェントルメン・スタート・ユア・エンジン!」

さらに、2017年と2018年は「ドライバーズ・スタート・ユア・エンジンズ!」が使われたとか。

さすが世界注目のレース、ジェンダーレスを意識したかどうかは定かではないが、柔軟性があるなぁ。

…ちなみに2019年は、「レディ・アンド・ジェントルメン・スタート・ユア・エンジン!」だったらしい。