世の中には様々なハラスメント(嫌がらせ)が横行しているが、最近増えているのが「スメルハラスメント(香害)」といわれているものだ。
スメルハラスメント
スメルハラスメント…あまり聞きなれない言葉だが、様々なニオイによって他人に不快感を与えてしまう事だ。
香りの害なので、公害をもじって「香害」と言われることもある。
スメルハラスメントの種類
スメルハラスメントにも色々ある。
一口にニオイといっても、その感じ方は千差万別だ。
2019年にJタウン研究所が行った「あなたが最も許せないニオイ」ランキングでは
1位 生乾き臭
2位 汗のニオイ
3位 香水のニオイ
4位 お酒のニオイ
5位 タバコのニオイ
6位 加齢臭
7位 洗剤・柔軟剤のニオイ
という結果が出ている。
柔軟剤も?
このうち、注目すべきは3位の香水のニオイと、7位の洗剤・柔軟剤のニオイだ。
他のニオイに関しては、一部のフェチを除き、万人が不快感を感じるであろう種類のニオイと思われる。
だが、香水や洗剤・柔軟剤に関しては、かなり個人の好みや感覚に左右される部分がある。
同じニオイでも、「良い香り」と感じる人と「嫌な臭い」と感じる人がいるという事だ。
化学物質過敏症
香水・洗剤・柔軟剤のニオイに共通することは「人工的な香り」ということだ。
これらの人工的な香りは、人によっては頭痛や吐き気といった体調不良や、場合によっては重篤なアレルギー反応のアナフィラキシーショックを起こすこともある。
この様な症状を「化学物資過敏症」という。
そして、それが原因で仕事を辞めたり、外出できずに引きこもりになっている人がいるのも事実だ。
「化学物質過敏症」は専門医が少なく、またアレルギー検査を行っても引っかからず、原因もわかりにくいという。
ましてや、個人の好みが反映される香水や洗剤のニオイであれば、尚更当事者の苦しみを理解してもらうのは難しいと言える。
「スメルハラスメント」の加害者とならない為には、香水であれば付け過ぎないこと。
人間の感覚には「慣れ」というものが存在する。
例えば香水ハラスメントの場合…
同じ香水をつけていると…
そのニオイに慣れてしまい、感じなくなってしまう
↓
ニオイを感じないものだから、どんどんエスカレートして大量につけてしまう
↓
折角良い香りの香水を付けているのに、付けすぎて周りの人に迷惑をかけてしまう
…という悪循環に陥る。
そしてこれは、特に高齢者に多い気がする。
老害とスメルハラスメント
私の職場でも、70過ぎの高齢者がいるが、加齢臭が気になるのか、毎日ものすごい量の香水をつけてくる「老害」がいる。
またその香水が独特のニオイだ。
ある日、他部門のスタッフが部屋に入ってきた時「この部屋随分線香臭いな」と言われた。
しかし、線香臭い香水を付けている、当の「老害」は自分のニオイに気が付かないので、知らんふりをしている。
一度香水の付け過ぎを注意したことがある。
すると「付け過ぎてなんかいない、俺の事にはかまうな!」と逆ギレされたことがある。
まさに「老害」だった。
ニオイのパラドックス
先程のランキングでいえば、「2位 汗のニオイ」や「6位 加齢臭」を誤魔化す為に「3位 香水」や「7位 洗剤・柔軟剤」を使う事がある。
嫌われるニオイの2位や6位を打ち消す為に、3位や7位を使用し、スメルハラスメントを助長するという、「ニオイのパラドックス」が起こるのである。
これでは「本末転倒」だ。
まとめ
最近は「コロナ禍」の影響で殆どの人がマスクを着用している。
マスクはウィルスの侵入を防いでくれると共に、ニオイも防いでくれる。
ということは、とりもなおさず「ニオイ」を感じ難くなっているという事だ。
マスクをしている時こそ尚更「ニオイに敏感に」なるべきだ。
そして「スメルハラスメント」の加害者とならない様、常に気を配っていたいものだと思う。