お店に入った時に、最初に聞こえてくる挨拶が「いらっしゃいませ!」だ。
少数的に「こんにちは」「ようこそ」「お帰りなさいませ」「おいでやす」も聞いたことがある。
だが、やはり一番多いのは「いらっしゃいませ!」だろう。
「いらっしゃませ」はいつから?
「いらっしゃいませ」という言葉が使われはじめたのは、江戸時代だという。
江戸時代の見世物小屋が、道行く人たちを招き入れる為に「いらっしゃいませ(まし)」と声をかけたのがはじまりで、現在の、お客様に対して店員が「いらっしゃいませ」と声をかけるのは、この名残だと言われている。(諸説あり)
「いらっしゃいませ」と「こんにちは」の使い分け
挨拶は、時間帯にもよるが
・日の出~10:00 おはようございます
・10:00~17:00 こんにちは
・17:00~ こんばんは
そして、一般的なのは「こんにちは」だ。
「こんにちは」
「こんにちは」は字で書くと「今日は」となる。
本来、「今日は」の後には「ご機嫌如何ですか」や「良い天気ですね」といった挨拶が続くが、それらが省略されてきて、今の「こんにちは」になったとされている。
では、お店で店員がお客様に挨拶をする時、何故「こんにちは」ではなく「いらっしゃいませ」なのだろう?
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ」には大きく二つの意味がある。
・ようこそ、いらっしゃいました
・お客様が来店されたことは分っていますよ
の二つだ。
最初の方は、お客様と面と向かっている時の「ようこそいらっしゃいました」の意味だ。
二つ目の方は、お客様が来店された時に、姿が見えない場所にいる時に使われる「いらっしゃいませ」だ。
これによりお客様に、「来店されたことは存じています」の意思表示が伝わる。
店員の姿が見えなくとも、お客様は安心できるのだ。
そして「いらっしゃいませ」は、殆どの場合、歓迎の意味を込めて一見のお客様に使われる。
それに対して「こんにちは」は、親しみの意味も込めて常連のお客様に対して使われることが多い。
つまり、接客業に於ける「いらっしゃいませ」と「こんにちは」の境は、一見か否かよるところが大きいと思われる。
まとめ
自分も、同じ飲食店に何度か通っていると、ある日突然「いらっしゃいませ」から「こんにちは」に挨拶が変わった経験がある。
そして、その頃から大将と親しく会話が出来るようになったような気がする。
「いらっしゃいませ」から「こんにちは」に変わるのは、常連になった証なのかも?
お店側も意識して使い分けているような気がする。
初めて入ったお店で「こんにちは」は何となく違和感を感じるし、何度も訪ねているお店で「いらっしゃいませ」では他人行儀な感じがする。(あくまでも筆者の主観)
しかしながら、「いらっしゃいませ」から「こんにちは」に変わるタイミングは、早くても遅くていけない。
気が付いたら変わっていた、というような絶妙のタイミングが難しい。(なに勝手な事を言っているんだ!)
「いらっしゃいませ」と「こんにちは」は、どちらも挨拶的には正しいのだろう。
違いがあるとすれば、お店側の戦略によるものなのかもしれない。