9月5日の「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、初登場の藤田二コルとクイズ王の伊沢拓司。
伊沢の登場で「下手したら漢字テストになっちゃうんじゃないの?」と岡村が心配する。
さて、今回はチコちゃんvsクイズ王になるのか?
なんできれいな夜景を100万ドルの夜景というの?
「この中で一番、綺麗な夜景が好きなロマンチックな大人ってだあれ?」と聞かれ、岡村は「女子じゃないですか?」と藤田を指名する。
夜景の中でも特別綺麗な夜景を100万ドルの夜景という。
そこでチコちゃん「…なんで綺麗な夜景を100万ドルの夜景というの?」と聞く。
藤田は「お金がいっぱい集まっていたら、キラキラ見えるんじゃないですか?」と答える、が「ボーっと生きてんじゃねーよ!」といわれてしまう。
チコちゃんは伊沢にも聞く。
伊沢は「夜景は電気をたくさん使っているので…。電気代が100万ドルということ…」と答えると、チコちゃんがいったん止める。
(…なんとなく当たっている様子。いったん「岡村」と言った後)チコちゃんは食い下がり「どこの?」と聞く。
伊沢は不意の質問に「ニューヨークとか…」と自信なさげに答えると「ニューヨークね、ニューヨークね」としつこく確認するチコちゃん。
〇チコちゃんの答え
⇒綺麗な夜景を「100万ドルの夜景」というのは、六甲山から見える夜景のひと月の電気代が本当に100万ドルだったから
ここぞとばかり「伊沢さんが間違っている~」と岡村がいう。
(みんな、ちょっと伊沢に厳しいぞ!)
日本で最初の「100万ドルの夜景」は六甲山から見た夜景
詳しく教えてくれるのは…日本全国の夜景を知り尽くした、夜景評論家の丸々もとおさん。
「100万ドルの夜景という言葉が日本で生まれたのは、今からおよそ70年前の1953年だと言われている」という。
1953年、NHKがテレビ放送を開始し1950年代後半に日本は、めざましい経済成長を遂げていた。
この時には一般家庭に電灯が普及していた。
そしておそらく、日本で初めて100万ドルの夜景と言われた場所は、兵庫県の六甲山にある展望スポットから見た夜景。
(※写真が出る)確かに100万ドルの夜景にふさわしい景観だ。
「100万ドルの〇〇」=綺麗で価値のあるもの
当時(1956年)のニュースで、この夜景の映像と共に「六甲の山から眺めた夜の神戸は『100万ドルの夜景』と言いはやされるだけあって、美しい輝きです」と紹介されていた。
先生は「…当時海外では、綺麗で価値のあるものを100万ドルの○○と表現する文化があって、その影響を受け100万ドルの夜景と表現する人々が現れ始めた」という。
「じゃぁ、きっちり計算して100万ドルになったというわけではない?」とスタッフが聞くと、「そうなんです。単に最初は一辺倒の言い方に当てはめただけに過ぎなかったが、当時の関西電力の副社長(中村鼎さん)が六甲山から見える夜景のひと月の電気代を実際に計算したのです」と答えた。
…そこで「NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場」が始まる。
天下の副社~長摂津国六甲山の電灯数えて大わらわ~
副社長(中村鼎さん)役:野村将希
社員役:(銀シャリ)橋本直
弁当を食べ終わった社員。そこへ副社長が現れる。
「…そういえば最近、なんや六甲山の夜景が10万ドルや、100万ドルや、と言うてるやろ」
「なんか綺麗で人気がありますね」
「あれ六甲山から見える灯りの電気代が、100万ドルっちゅうことか?」
「あれはそういう例えですよ」
と社員がいうと
「何を根拠に100万ドル言うとんねん。ほな夜景の電気代はなんぼやねん?」
「そんな、わかるわけありませんやん」
「すぐに確認や!」
(「中村さんは副社長に上り詰めた方なので、物事を厳密に判断する相当厳しい方だったんじゃないかなと思われます」と先生)
そして、その日の夜…二人は六甲山から夜景を見る。
「めちゃくちゃ綺麗ですね。神戸から大阪まで、街の明かりが綺麗に見えますね」
「これが100万ドルの夜景か」
「ところで副社長、さっきの『電気代計算せい!』というヤツ、さすがに冗談ですよね?」
「はぁ?電気会社というのは、本当に100万ドルかどうか、はっきりさせなあかん」
「いや、そんなん無理ですって」
「わしの指示が聞けへんのか?」
…といって副社長は懐に手を入れて「この紋所が…」(※水戸黄門のパロディ?)と言うと、社員はそれを止め「わかりましたよ。やったらいいんでしょ、やったら」という。
(「こうしておそらく副社長は、六甲山から見える街の明かりの契約リストから、電灯の数を割り出して、計算したんだと思います」と先生)
社員は「六甲山から見える街の灯り、なんぼあると思うてんねん」と愚痴を言いながら計算していると、「今なんか言うたん?」と副社長。否定する社員。
数日後…計算が終わった。
「六甲山から見えるあかり(電球)の数は『4,967,000』です」と報告する社員。
それを聞いた副社長、さらに計算を始めた。
「1灯あたりの1ヶ月の平均電気代は、なんぼや?」
「大体、73円です」
そこでまた計算。
「3億6259万1千ぐらいか…今1ドルなんぼや?」
「今1ドル、360円です」
「360円で割ったら…」
「100万ドルや!」と叫ぶ二人。
3億6000万円÷360円(当時の1ドル)=100万ドル
六甲山から見える夜景のひと月の電気代が、偶然100万ドルに近かったので六甲山の夜景は紛れもなく100万ドルだったという事が証明された。
その後、日本は高度経済成長期を迎え、国内旅行が盛んになった。
この時、六甲山に観光客を集めようと、神戸の旅行会社が自信をもって「100万ドルの夜景」とキャッチコピーを付けた。
すると神戸に大勢の人が訪れるようになった。
副社長は「わしらが一生懸命計算した結果が、神戸の観光に一役買うことになるとはな」と笑う。
これを知った各地の観光地でも「100万ドルの夜景」というキャッチコピーが使われるようになり、香川県高松市、福島県福島市、静岡県熱海市など、日本全国に広まっていった。
現在は「1000万ドルの夜景」
現在100万ドルの夜景という言葉は、旅行業界では、そんなに使われていない。
余りにもどこでも使われるようになってしまったため、その価値がなくなってしまったので今では「1000万ドルの夜景」という言葉が一般的だと、先生は言う。(例:長崎市の観光パンフレット)
日本の三大夜景
日本三大夜景は…
・北海道函館市
・兵庫県神戸市
・長崎県長崎市
と、言われているが2018年に「日本新三大夜景」が発表された。
日本新三大夜景
これは、全国の夜景スポットの中から、夜景鑑賞士(約5,500人)の投票によって順位を決めたもの。
第3位 福岡県北九州市の夜景
北九州市の夜景というのは海、平地、山というものが非常に近接している。地形的特徴があるので夜景の見える場所というのが豊富。
第2位 北海道札幌市の夜景
「北海道ならでは」の、澄み切った空気の中で楽しめる大パノラマ。これが圧巻。
また札幌ホワイトイルミネーション、札幌雪祭りなど、イベントも豊富。
第1位 長崎県長崎市の夜景
長崎港を取り囲む、すり鉢状の地形がとにかく特徴的。普通夜景は、下の面で広がっているのがほとんど。
長崎の夜景はすり鉢状なので向こうが立ち上がっている。
ちなみに…
元祖100万ドルの夜景の兵庫県神戸市の夜景は第4位だったそうだ。
※9月5日のNHK「チコちゃんに叱られる!」参考・参照
まとめ
「新三大夜景」とはいえ、これはあくまでも夜景鑑賞士の投票によるもの。
なので全国にはまだ知られていない綺麗な夜景はいっぱいあるに違いない。
それにしても夜景鑑賞士という言葉を初めて聞いた。
(一般社団法人社)夜景観光コンベンション・ビューローのHPによれば…
夜景鑑賞士検定は2008年より実施され9,000名以上が受験、5542名以上の鑑定士がいるらしい。
(この数字2018年までで、かな?)
現在は「夜景鑑賞士検定」はでなく「夜景観光士検定」
昨年、「夜景鑑賞士検定」「イルミネーション検定」ふたつの検定が統合され「夜景観光士検定」を創設。今年は、第2回目の検定となる。
検定日はを2020年12月5日、6日。
(申し込みは2020年8月31日から)
ちなみに、この(一般社団法人社)夜景観光コンベンション・ビューローの代表に、今回の先生、丸々もとおさんの名があった。
※2013年までの夜景観賞士検定のデータでは
この検定の合格率、2級は50%ぐらい。
1級の合格率は…受験者数も多くないが一桁!?…マジか!