そもそも人類はみんな手で食べる手食だった。
そして今でも世界では手で食べる人が最も多い、そうだ。
(世界)全人口の…
・手食はおよそ40%。
・ナイフ、フォーク、スプーンはおよそ30%。
・箸で食べる箸食が約30%…らしい。
…知らなかった。
なんでお箸を使うの?
8月15日の「チコちゃんに叱られる!」のゲストは準レギュラー(今回が2回目)のYOUとSexyZoneの菊池風磨。
「この中で一番、食事のマナーがわかっている素敵な大人ってだあれ?」とチコちゃんが言うと、YOUがカメラに向かってアピールするが、岡村は菊池を選ぶ。
菊池はチコちゃんに「(普段、ご飯は箸を使って食べるが)なんでお箸を使うの?」と聞かれる。
菊池は「(人に)食べさせるため!」と答える。が「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
チコちゃんは、「おばさんに聞いてみる!」とYOUにも聞く。
YOUが答えるとチコちゃんが「つまんねぇーおばさんだな~」と言う。
正解したらしい。
なので、漢字問題が出される。
問題は「うちわ」。
3人とも書けずにチコちゃんに叱られた。
答えは「団扇」。
〇チコちゃんの答え
⇒お箸を使うのは熱いものを熱いうちに食べたかったから。
そもそも人類はみんな手で食べる手食だった
詳しく教えてくれるのは、過去5回にわたり、民俗学の視点から日本のしきたりや風習の秘密を教えてくれた国立歴史民俗博物館新谷尚紀名誉教授。
「そもそも我々人類はみんな手で食べる手食でした」という。
実際、今でも世界では手で食べる人が最も多い、そうだ。
・主に手で食べているのは、アフリカや中近東、インド、東南アジアなど全人口のおよそ40%。
・主にナイフ、フォーク、スプーンのセットで食べているのがヨーロッパやアメリカなど、およそ30%。
・そして日本人のように箸で食べる箸食が約30%(日本、中国、韓国、ベトナム)となっている。
最初に箸を使って食べるようになったのは古代中国というのが定説となっている。
中国河南省の遺跡から発見された3000年以上前の青銅製の箸がこれまでに発見された最も古い箸とされている。
なぜ箸という道具が生まれたのか
食事の道具としては、箸よりも先にさじ(スプーン)のようなものがあった。
古代中国の主食はあわやひえコメなどの穀類。
これらを食べるうえでスプーン状のものが便利だった、と考えられている。
ただ、いわゆるおかずを食べる際には手で食べていた。
手では非常に食べにくいおかずがあった。
そのおかずを食べるために箸が誕生したのではと考えられている。
手では食べにくいおかずとは?
「手では食べにくいおかず、とは何ですか?」とスタッフが聞く。
先生が「これです」と言って出したのは、漢字一文字「羮」が書かれたフリップ。
「羮」とは、中国語では「ガェン」、日本語「あつもの」と読み「鍋で煮た熱い料理」のこと。
中国料理の羹とは肉や魚野菜を煮込んだいわば、鍋料理のようなもの
先生は「鍋で煮た熱い料理っていうのはすごく美味しい。熱いものを熱いうちに食べるためいろんな葛藤があって箸が生まれた」という。
「でもその時代にスプーンはあったんですよね、スプーンでも食べられますよね」とスタッフが言うと「だからね、そういう人はやってみればいいんですよ。その葛藤を体験してみればわかるんじゃないですか?」
と言う事で…手食から箸を使うまで、どんな葛藤があったのかスタッフ自ら体験することになった。
スタッフが羹料理で試してみた
スタッフは港区の中国料理店で古い時代から食べられている鍋料理を再現してもらった。
「はい羹料理です」と出された鍋料理。
スタッフは「わ、具だくさん!何という料理ですか?」と聞く。
「砂鍋全家福(サーコーゼンチャーフー)、あつもの料理の原型です」と店の説明。
これは、古くからおめでたい時に食べる肉魚介野菜が10種類以上入っている鍋料理だそうだ。
手
まずは食の原点の手食から…とこわごわ触って「アッツ!」と言うスタッフ。
「おそらく最初は冷めるまで待って食べていたでしょうね。やっぱり熱いものは熱いうちに食べたいですよね。」と先生。
スプーン
続いて箸より歴史のあるスプーンを使ってみる。
「スプーンがあれば当然食べられる」と言って食べてみる。ところがスプーンだけだと結構口が熱く食べやすい温度の加減が難しいことに気付く。
さらにもう一つ、問題点が…
「お肉が食べたいんだけど、野菜も付いてきちゃう」とスタッフ。
またおかずの形によっては…「なんか思い通りに取れないのがちょっとイライラしてくるなぁ」と言う。
そこでスプーンを二本、使ってみた。
「好きなのだけ選んで…」と言うスタッフ。
確かに狙ったおかずは取れるが…
「スプーン状のものよりもどうにか手の指先でつまむように具をとれないものか…それを解決したのが2本の棒、だったんですね」と先生。
箸
2本の棒…つまり箸を使えば(最初からこの持ち方かどうかはわからないが棒を2本使うと)好きな熱いおかずを…
・ピンポイントでつかめる
・つかんだままちょっと冷ますこともできる
・大きなものはつかんだままちょっとずつ食べることもできた。
「やっぱり箸って便利」とスタッフが言う。
…実際はもっと紆余曲折があったのでしょうが、熱いものには箸に勝るものはなかったようだ。
ところで古代中国で生まれた箸は日本でいつから使われるようになったのか?
日本の箸食の始まりは聖徳太子
(日本に箸が伝来した時期については諸説あるが)箸を取り入れた食事は、7世紀初頭の遣隋使がきっかけだと言われている。
この当時の日本について書かれた「隋書倭国伝」には、日本人は手で食事をしていると記されている。
聖徳太子(厩戸皇子)は非常に隋にあこがれを持っていた。
そこで隋から来た、使者をもてなす時、恥ずかしくないように箸食を取り入れた。
これが日本の箸食の始まりと言われている。
当初(飛鳥時代~奈良時代)、箸は宮中や位の高い人たちの間で使われていたが、平安時代になると街に箸売りが登場し、誰もが箸を使うようになったと言われている。
ちなみに…
手食の文化圏の人から箸食を見ると「神様からいただいたものを、道具を使って食べる方が失礼であり、手でも味わいながら食べないのはちょっともったいないんだそうですね」と先生。
一方、箸は食べ物をつまんだり切ったり、ほぐしたりすることもできるため、食事をするうえで欠かせない道具として日本に定着していった。
だが先生曰く、「美味しいものっていうのはねいきなり手でいっちゃいます。エビフライにしても、アジフライにしてもしっぽを持ってかじるのがうまいんですよね」と、笑う。
※8月15日「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋
まとめ
今回の新谷尚紀名誉教授がこれまで番組で紹介してくれたものは
・お賽銭
・胴上げ
・くしゃみ
・三本締め
・ろくでなし
上の二つ(お賽銭・・胴上げ)の記事は見つからなかったが、下の3つについての記事は下の通り。