阿寒湖のマリモ…
昔は現地のお土産屋さんで瓶に入っていたものが売られていた。
「生きてるか?」とか「本物なのか?」とよく疑ったものだが…
マリモはなんで丸いの?
8月1日「チコちゃんに叱られる!」
ゲストは小堺一機と中川翔子。
「この中で一番、湖が似合う素敵な大人ってだあれ?」という事でゲストのショコタン(中川翔子)が指名される。
チコちゃんに、マリモを知っているか聞かれ「丸く、どんどん大きくなっていったりとか…」と答えると「…マリモはなんで丸いの?」聞かれる。
中川は「軽いから水の中で転がっていって…」というと「なんのために転がってんの?」と聞かれ「丸い方が直径が大きくなるから防御力が上がる」と中川らしい答え。
だが「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
〇チコちゃんの答え
⇒マリモが丸いのは嵐に乗じて湖を制覇するため
マリモは丸くないものもある
詳しく教えてくれるのは、30年にわたりマリモを研究している釧路湿原ウェットランドセンター阿寒湖沼郡・マリモ研究室の若菜勇室長。
先生は「マリモは皆さん丸いと思っていると思うが丸くないものもある」という。
丸いマリモを二つに切ってみると、内部は繊維状の藻がぎっしりと詰まっている。
「この繊維状のもの一本一本がマリモという生物で、必ずしも丸い形というわけではない」と先生。
小さな塊で水中を漂っているものや(浮遊型マリモ)、岩にくっついている着生型マリモなど様々なマリモが日本各地の湖に住んでいる。
実はマリモは日本中の湖にいる
実はマリモは日本中の湖に生息。
しかしそのほとんどが丸くないマリモ。
「多くの人がマリモは丸いと思っている。世界最大のマリモの群生地である北海道のマリモが丸いから」と先生。
北海道東部、釧路市に位置する湖阿寒湖。
この湖には直径10㎝をこす丸いマリモが大量に生息しており中には30㎝を超す大型マリモもある。
これだけ大きなマリモがたくさん生息しているのは世界でも阿寒湖だけ。
1952年には国の特別天然記念物に指定されるなど、阿寒湖の丸いマリモはまさにマリモの代表となった。
ちなみに…
日本で初めてマリモが発見されたのも阿寒湖。
そのマリモが丸かったのでボール状の藻を意味する毬藻という名前が付けられたと考えられている。
阿寒湖のマリモが丸くなる3つの要素
阿寒湖のマリモが丸くなるのは3つの要素が奇跡的に重なったから、と考えられている。
①遠浅の湾
阿寒湖は激しい火山活動の結果他の湖に比べて入り組んだ地形をしておりそこに川からの土砂が流入することで遠浅の地形が生まれている。
マリモは植物ですから成長には太陽の光が不可欠。
深い底よりも浅い方が太陽に光が届きやすいので阿寒湖では大きな藻が成長しやすい。
先生は自分が出演したというNHKスペシャルの(阿寒湖のマリモ)の映像があるという。
(NHKスペシャル「神秘の球体マリモ~北海道阿寒湖の奇跡~」より、という番組)
普段は見ることができない阿寒湖の浅瀬エリアで特別に許可を得て撮影したという映像を見てみると、確かに阿寒湖には浅瀬が広がっておりそこにマリモが生息しているのがわかる。
②風
阿寒湖では日照時間の長い夏場に湖の南から北にかけて強い風が吹く。
この風と遠浅の湾が生み出す絶妙な波によって、マリモは丸くなるために不可欠なある運動を起こす…
「これもNHKスペシャル世界で初めて撮影することに成功した」と先生。(そこでまた、映像を拝借…)世界初だというNHKスペシャルが撮影した「マリモを丸くする運動」のVTRが流れた。
阿寒湖の浅瀬に生息している毬藻の様子をおよそ500倍の早回しで見てみるとマリモはその場に留まりつつ波の力で回転しているのが初めてわかった。
この回転運動の撮影を成功したことでマリモが丸くなるメカニズムが判明した。
阿寒湖に吹き込む風と浅い水深が相まってマリモが流れない絶妙な加減波をうけてそれがマリモをその場で回転させている。
回転することで全体に太陽の光を浴びることができ、まんべんなく成長して丸いマリモに育っていく。
③水草
さらに先生は他の番組では紹介していない最新の研究成果を紹介するという。(NHKスペシャル越え)
阿寒湖の湖底には当然マリモ以外の生物も生息している。
中でもマツモという水草はマリモの天敵と考えられている(光を遮る)。
水草はマリモより背が高いので、湿った葉っぱで太陽の光を遮りマリモの成長を止めてしまう。
さらに水草が増えることで波の力を遮りマリモの回転運動も弱めてしまう。
ところが、台風のような嵐が来たとき、実はマリモには水草に対抗する大きな武器があることがわかった。
「それこそがマリモは丸いという事なんですね」と先生。
マリモの丸さは水草に打ち勝ち嵐に乗じて湖を制覇するための武器だという。
水草は根を張って生きている。
しかし波の力を受けやすい浅瀬部分で嵐が起こす強い波にさらされると根が取れて流されてしまう事もある
その結果、湖岸に打ち寄せられてしまった水草は生きていくことができない。
しかしマリモは根を張らずに丸い状態で生息している。
多少波に流されても生き残ることができる。
先生は「このように遠浅の湾ではマリモと水草による生存競争が行われたいるわけです。そして数年に一度の周期でやってくる嵐を使って丸いという武器を使って水草に対抗している」という。
結論:マリモはライバルである水草に勝つために丸くなった。
マリモもバラバラになるが…
しかし本当に強い嵐の時には、強い波の力でマリモもバラバラになる。
ところが小さくなると波の力をやり過ごすことができるので、浅瀬で暮らすことができるようになる。
また浅瀬で回転してたっぷりと太陽の光を浴びてマリモは再び丸く大きく育っていく。
「…ライバルとの戦いに勝つために丸くなり壊れては再生するという輪廻があった」と先生が言うとスタッフが「かっこいいですね、その言葉」と言う。
先生は「NHKスペシャルでも同じことを言ってる」とバラし、謝った。
※8月1日「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋