7月11日の「チコちゃんに叱られる」の「働き方改革のコーナー」は、お城が大好きな先生が「命がいくつあっても足りない絶対攻めたくない城ベスト3」を紹介してくれた。
命がいくつあっても足りない絶対攻めたくない城ベスト3
番組に出演してもらったすごい先生の皆さんに本当に大好きですごいものを紹介してもらうこのコーナー、今回の大先生は…
お城研究50年以上の広島大学名誉教授三浦正幸先生。
以前、お城のしゃちほこについて解説してもらった。
大河ドラマ「麒麟がくる」の建築考証も手掛けるお城博士。
「お城はすごく美しいけど本来は敵を討ち果たす恐ろしい仕掛けがあるんですよ!」という先生に「命がいくつあっても足りない絶対攻めたくない城ベスト3」を教えてもらった。
第3位 日本一不気味な城
伊予「松山城」(愛媛県松山市)。
関ヶ原の戦いで功績を上げた加藤嘉明が築いた城。
※あなた=敵
「戸無門」
あなたが入口の城門にたどり着くと扉がない。
城門にはふつう敵の侵入を防ぐ扉があるものなのに…扉がないので「戸無門」という。
扉がない門に来ると何か仕掛けがあるだろうと様子をうかがっていると、鉄砲が…。
うっかり立ち止まってしまったあなたは、戸無門の後ろにある櫓から、背中から攻められる。
「城を攻める時に一番恐ろしいのは背中を撃たれること。基本的に背中を撃たれたらあえなく戦死でしょうね。神様仏様どうぞ弾が当たりませんように、と…」と先生。
「筒井門」
パニックになりながら、なんとか先に進んだあなたを待っているのが「筒井門」。
その2階の櫓からはあなたを狙っています。
そこでつい足を止めてしまうと…
「これが松山城の陰険さなんですが土門の陰に『隠門』というのが、隠れている」と先生。
筒井門で戸惑っているあなたは隠門から迫る伏兵に気付かず一気に打ち取られてしまうのです。
先生は「もうどうにもならん状態ですね、今まで味わったことのない恐怖感を味わうしかないですね」という。
第2位 5秒に1本、矢が降り注ぐ悪魔の城!
その城とは金のしゃちほこで有名な名古屋城(愛知県名古屋市)。
江戸時代の史料を元に先生が復元した名古屋城のCGで紹介する。
大将がいる天守を囲う掘りを見てみると、狭く水のない空堀となっている。
一般的に城の天守は敵を近づけないために、幅の広い水堀に囲まれているが、名古屋城はあえて空堀にすることで大した城ではないと敵を油断させていた。
「ただ侮らせるだけでもっと恐ろしい仕掛けのために掘りが狭いんです」と先生。
あなたは敵の大将がいる天守に向かうため、空堀の脇にある細い道を通らなければならない。
しかし「この『多門』やぐらのところから、ここまでの距離(約20m)が、弓矢の絶対的な射程距離。「この間の敵は絶対逃げることはできないし、弓矢に当たれば必ず死にます」と先生はいう。
あなたは櫓に潜む敵兵からおよそ5秒に1本弓矢を浴びせられるのです。
先生は「歴戦の武者もあえなく討ち果たされてしまう。ぼくだって、そんなとこ行けって言われたら、できません。当然帰ります。ばかばかしい」という。
第1位 進むも地獄、戻るも地獄日本最強の城!?
姫路城(兵庫県姫路市)。
日本で初めて世界文化遺産に登録された名城。
先生は「この姫路城は城門だらけの城。いの門、ろの門、はの門、にの門、ほの門、と次から次へと門が出てきて…そんなにしぶとく守っている城はないんですが、実は姫路城がもっとも恐ろしいのはその先、水の門なんです」という。
水の門とは
水の門とは、天守が火事で燃えないようにと名付けられた1~6までの城門。
水の3門を例に見てみると…
あなたは左方向から敵の大将がいる天守に向かうため「水の3門」に歩みを進める。
敵は全部「水の3門」の方に向いているので、「乾小天守」に対しては背中を向けている。
ここで(「乾小天守」から)背中を銃撃され、戻ろうと思って帰っていくと今度は、土塀のところにある「鉄砲狭間」から背中を撃たれる。どっちに行っても背中を撃たれる。
「まさに進むも地獄、戻るも地獄。このような恐ろしい仕掛けがあるのは姫路城だけです」と先生。さらに「だから400年前の攻め方では落城は絶対いたしません。ま、ミサイルを使えば何とかなるかもしれませんね」という。
※7月11日「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋
まとめ
お城が好きな人は結構いるらしい。
が、お城を「絶対攻めたくない」という目線で見る、というのはある意味、専門家ならではの発想なんだろうなと、感心する。