脂がのっているマグロは美味い!
…と思っていたが、実は脂自体は味がないという。
脳が、誤魔化されている?
ただの勘違いなのか?
さて…その理由とは?
なんで脂が乗ってると美味しいの?
1月24日の「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、初登場の福山雅治と雨宮塔子。
最初の回答者は…
「この中で一番脂がのり切っている素敵な大人ってだあれ?」と聞かれ「そりゃぁあもう」と福山が指名された。
チコちゃんに「一般的に脂が乗ってると美味しいというが…なんで脂が乗ってると美味しいの?」と聞かれた福山「…脂そのもののうま味ではなくて、脂というものに対して脳が多幸感を感じる、ジューシー、幸せってなっちゃう」と答える。
するとチコちゃんは「…そもそも、なんでそうなったのかなっていうことなのよ」と聞く。
福山は「人間はもともと脂っぽいものを食べていなかったから」と答える。
するといい線いっていたらしく、
チコちゃん「その後は?そのきっかけは?」
福山「狩猟採集?」
チコちゃん「なにが狩猟された?」
福山「生き物?…お魚?…鮭?」
…最後の「鮭」が間違っていたらしい。
結局「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまった。
〇チコちゃんの答え
⇒脂がのっていると美味しいのはマグロがたくさん取れたから
答えを聞いても福山は、簡単に納得せず、必死で弁解をする。岡村に「福山さん、今ちょっとカッコ悪いんで、どっしり構えといてください」と言われ…福山は素直に「そうか間違った。まちがったなぁ俺!」という。
※だが全部の説明が終わった後も、自身の回答が鮭だった理由を説明しようとする福山だったが…「でもなんか、言えば言うほどちっちゃいね、僕ね」といい「いやー、鮭だと思った。間違った」と認めた。
人間が脂だけを食べて美味しいと感じることはない
詳しく教えてくれるのは、畿央大学健康科学部山本隆教授。
「脂には明確な味がないので脂だけを食べて人間が美味しいと感じることはない」という。
脂には明確な味がない
人間の味覚は5つ(甘み・酸味・塩味・苦味・うま味)あるが、先生によれば脂はどれにも属さない。
では、なぜ脂がのっていると美味しいのかというと教授は「脂が口の中に入ることによって、食べ物にしっとりとした食感を与え、さらに食べ物の味をより増強する働きがあるから」という。
脂肪酸は「うま味」や「甘み」を増強する
脂の一部は唾液によって脂肪酸とグリセリンに分解される。
脂肪酸には、食べ物本来の「うま味」や「甘み」を増強してくれる働きがある。
味を感じているのは舌の表面にある「乳頭」という小さな突起物の中に脳に味を伝える「味蕾」という細胞集団がある。
この味蕾がある舌の上に、脂がのった食べ物がのると、脂の一部が脂肪酸とグリセリンに分解され、味蕾が脂肪酸を感知すると味を伝える能力が格段とパワーアップされる。
つまり、脂肪酸自体に明確な味はないが、食べ物が持つうま味や甘みを増強して脳に伝えるので美味しく感じられる。
例えばバター
例えば、ほぼ油で出来ているバターで言うと…
トーストに何も付けずの食べるのと、バターを塗って食べるのとでは美味しさに違いがあり、バターを塗った方が美味しく感じると、スタッフも言う。
これも「バターの脂の一部が脂肪酸となり、味蕾の受動体を刺激してパン自体の美味しさを増強する」と先生は言う。
脂質は効率のいいエネルギー源
さらに人が脂が乗ったものを好むもう一つの理由がある、という。
脂を飲み込んで消化吸収されると、人間にとって大きな栄養源になる。
生きていく上で必要な三大栄養素で比べてみると、炭水化物とたんぱく質は100g当たり400㌔カロリー、脂である脂質は100g当たり900㌔カロリーと2倍以上。
このように脂は効率のいいエネルギー源となる。
結論:脂を一緒に食べる⇒美味しい+体に有益…という信号が脳に送られて=幸福感を得ている
日本人が「脂を食べる」ようになったわけ
江戸時代、脂ののった食べものはほとんど食べていなかった、らしい。
脂がのった魚は腐りやすかったため流通が難しく、マグロのトロのなどの脂の多い部分はほとんど市場に出回ることなく処分されていた。
きっかけは「まぐろ鍋」
1810年、マグロが大量に獲れた。(江戸の様子がまとめられてる本「武江年表」には「この冬1日一万本を獲る」と記されていた)
この番組の食の歴史のご意見番の食文化史研究家永山久夫さんに聞いてみると…
あまりにも大量にマグロが水揚げされたことで、当然トロの部分も大量に余りが出る。
さすがにもったいないと感じた江戸の庶民たちは、なんとか捨てずに済む方法を考えた。
その結果「マグロ鍋(ねぎま鍋)」というトロを美味しく食べるための料理が生まれた、という。
まぐろ鍋
トロとネギを醤油で煮た庶民の味。
火を通すことで傷みやすいトロを安全に食べることができ、ネギにトロの脂がしみ込み、うま味が倍増したことから。マグロのトロがあっという間に庶民に親しまれた。
その結果…
トロの美味しさが、殿様とか上流階級にも広がっていき、日本人の「脂を食べる文化」これが定着し始めた。
明治になると
その後、明治になると、バターや牛肉など西洋の文化の食文化が伝わり日本人がより脂を好むように変化していった。
つまり、今までマグロのトロを食べなかった日本人の脳に「脂ののったトロはおいしく、高いエネルギーを持つ食べ物だと刷り込まれ、脂がのっていると美味しい」という考えが日本人に広まった。
脂が一番乗っている魚は「アブラボウズ」
ちなみに脂が一番乗っている食べ物は何ですか?とスタッフが聞くと
教授は「アブラボウズという魚は脂がたくさんのっている、と聞いています」と答えた。
スタッフが、詳しく調べてみると「…体の40%が脂肪の深海魚」と書いてあった。
そこでスタッフはさっそく釣れる、と情報があった相模湾へ行く。
相模湾で
アブラボウズがいる深海600mに餌(のイカ)を投入し、当たりを待つこと20分…
食べられない魚やアコウダイやイカは釣れたが、結局アブラボウズは釣れなかった。
(漁師さんによれば、アコウダイも脂がのって美味しい魚だという)
なので、スタッフはアコウダイを地元の魚屋さんで、刺身にしてもらい食べた。そこの店主にアブラボウズは都内でも食べられると聞き、スタッフは都内に戻り、近場にあったその店に行ってみた。
刺身の身は真っ白で脂そのもの。
スタッフが食べてみると「(脂が)すごいくる!」という。
最初は一瞬お刺身、そのあと急にお肉に変わるみたいな、それぐらいパンチがある」
ようやくアブラボウズにありつけたスタッフの箸が進む。
すると店主に「後もう1一枚ぐらいでやめておいた方がいいかなと思います、脂が多いのでお腹を下すことがある」と言われる。
「食べ過ぎると2つの意味で「脂肪」「死亡」になっちゃうかもって事ですね、脂だけに。おあとが宜しいようで…」とスタッフが言うと、店主も一緒に頭を下げた。
まとめ
今回のゲストが福山雅治。
チコちゃんが福山を紹介した後「ちょっと待って。引いたカメラで…」とカメラが引きを撮ると、女性スタッフがたくさん集まっていた。
チコちゃんが「この女性スタッフの数!なんなのこれ?みんな(福山を)みに来てんじゃん!」という。スタッフたちは福山が手を振ると、笑顔で手を振る女性スタッフたち。
岡村が「関係ない人は帰っていただいた方が…」というとチコちゃんも「ほんとよね。こういうことするともう大竹まこと(出演最多ゲストでオリジナルメンバー)が怒るのよ。身分もわきまえずに…」といい、笑いが起こった。
※1月24日「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋
60も近くなると、脂がのっている魚のお刺身は1枚か、2枚で十分。
美味しいのだが、胸焼けするようになってしまった…悲しい。
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