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氷の表面が滑りやすいのは「ビー玉を敷き詰めた床の上」と同じだから

チコちゃんに叱られる

「氷が滑りやすいというのは世界中の科学者の間で長年議論の的だったが、去年の5月、私たちのグループがこれをやっと解明することが出来ました」と笑顔で話すのは、氷について研究しているという永田勇樹博士。

氷が滑るのは、氷との間に水があって摩擦が無くなるから…と思っていたのだが、どうも違うらしい…

12月27日の「チコちゃんに叱られる!」は「令和元年もう何があったか思い出せなくなっている私の年末スペシャル」。

ゲストは、スペシャルなので3人。初登場のさだまさしと萬田久子。そしてオリジナルメンバー高橋みなみだ。

なんで氷の上は滑るの?

「この中でスベり知らずのクールな大人ってだーれ?」ということで、たかみな(高橋みなみ)が指名される。

「なんで氷の上は滑るの?」」というチコちゃんの質問に、たかみなの答えは「溶けかけて、ゆるくなる(水になる)から滑る」だった。

だが「氷は解けてなくても滑る」と言われ…考え込むも答えが出ない。するとチコちゃん「旦那さんの好きな所一つ言って」と言われ「なんかね、変なところから毛が生えてくるところ」と答える。すると「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われる。

萬田も、チコちゃんに聞かれるが即座に「パス!」と言い、岡村が「パスできるんですか?これ」と驚き、チコちゃんも「初めてのパスよ」という。

さだの答えは「…摩擦を起こさせない魔力がある!」だった。するとチコちゃんは「さすが、詩人、素晴らしいわ」と褒める。

〇チコちゃんの答え
⇒氷の上が滑りやすいのは440万年もの間謎だったけど、去年やっとわかった。

440万年続いたこの謎に、去年の5月終止符が打たれた

詳しく教えてくれるのは…氷について研究しているドイツ・マインツにあるマックスプランク高分子研究所グループリーダーの永田勇樹博士。(ドイツの研究所から、テレビ電話で答えてもらった)

先生は「氷が滑りやすいというのは世界中の科学者の間で長年議論の的だったが、去年の5月私たちのグループがこれをやっと解明することが出来ました」と笑顔で話す。

2018年永田先生のグループが世界で初めて氷の上が滑りやすい理由を解明し、遂にこの謎に終止符を打ったという。

これまで氷の上が滑る原因は二つの仮説があった

普段、氷の上は滑りやすいと感じているかもしれないが、その足元で何が起きているのか…ということで、これまで2つの仮説があった。

仮説①圧力説

「(例えば、水風船を握ると指の隙間からはみ出てくるように)スケート靴で氷を踏んだ時、その圧力で氷の中から水が押し出され氷の表面にできた水の膜で滑る」と考えられていた。

しかし、この説だと普通の靴のように広い面積で踏んで滑ってしまう事の説明ができない。

実際にスタッフが今年の2月、冬になると凍る湖(群馬県・赤城大沼)の上で「氷の上をすべる実験」をした。

しっかり凍っている湖の表面には水分がない。その湖の氷の上を靴底の広い靴で歩くと…風に吹かれただけで滑ってしまう。氷を踏みつけた足元を見ても水になっている様子はなかった。

氷を水にするには強い圧力が必要

氷を水にするほどの圧力となると、とても強い圧力が必要で、例えば、ものすごく重い像がハイヒールを履いて氷を踏んだとしても、なかなか水が出るほどの圧力は出ない。

仮説②摩擦説

(例えば、物をこすると摩擦で熱が生まれるように)氷の上を歩く時に靴と氷がこすれる熱で、氷が溶けて表面にできた水の膜ですべる。

スタッフの実験でも、靴を氷にこすり付けてみるが、どんなに足や手をこすり付けても水はできなかった。

この説では、ただ立っている人が風に吹かれて押されて、その勢いだけで滑りやすくなってしまう、ということでも説明できない。

新説:分子コロコロ説

そもそも氷が滑りやすい理由に氷が解けて水になるという事はあまり関係がなかった

先生は「氷の上が滑ってしまう原因は、氷の表面にある水に分子がコロコロと動いてしまうからだという。

氷の表面が動いている、とはどういうことなのか?

全ての物体は原子や分子と呼ばれる小さな粒が集まってできている。
氷(の分子)は、どのようにできているのか、その断面を先生の研究所が作った分子レベルまで拡大したCC映像で見てみると…

氷の内部にある水分子の繫がりは4つ

水の分子がくっつきあって氷の分子ができている。
(水の分子は酸素原子「O」が1つと、水素原子「H」2つで出来ており「H2O」と呼ばれている)
氷はこの水分子が綺麗につながり合ってできている。

氷の内部にある水分子は、水分子一つに対して4つの水分子が繋がっている。その隣の水分子も繫がりが4つ。その為しっかり固定されている

氷の表面はビー玉が敷き詰められている状況

しかし、氷の表面では水分子の繫がりが2つや3つしかない。
そのため表面の水分子が固定されずに動いてしまう。

例えば、床一面にビー玉が敷き詰められている状況が氷の表面になる。
つまり氷の表面では、分子がビー玉のようにコロコロと自由に動き回り、人や物を滑らせていた

結論:氷の上が滑りやすいのは氷の表面が動いているから

ハイドロプレーニング現象

アシスタントの愛ちゃん情報によれば…
「水で滑る」というのは、地面と足の間に水の層が出来てしまい、足が滑るというハイドロプレーニング現象。大雨やこぼれた水で滑るのはこの現象だという。

※12月27日「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照

まとめ

雪国で育った人たちにとって氷で滑る、という事象は身近なことなのだが、まさか「人類が二足歩行を始め、ニュートンやアインシュタインが科学に革命を起こし、今や宇宙へと飛び出したおよそ440万年の歴史の中で我々は訳も分からず氷の上で滑り続けていたのです」と、ナレーションが入るほど、世界中の科学者の間で長年議論の的だったとは、知らなかった。

しかも、それがビー玉を敷き詰めた床の上と同じことだったとは…

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