日本全国のご当地うどんの中から食の専門家(研究者)が「一番コシが強いうどん」として選んだのは、山梨県の「吉田のうどん」だった。
食べてみたい!
11月1日の「チコちゃんに叱られる!」の2つ目の問題は「うどんのコシ」について。
うどんのコシって何?
チコちゃんが岡村に「この中(岡村隆史・生駒里奈・奥田民生)で一番、うどんをすする姿がステキな大人ってだあれ?」と聞く。奥田が指名される。
広島県出身の奥田の好きなうどんは「四国のあまりごついのじゃなく、ちょっと柔いヤツ」だという。チコちゃんに「四国のやつ」の特徴を聞かれた奥田は「コシが必要以上にあるやつ」と答えると「そんなわざわざ敵作らなくてもいいじゃない?」と突っ込まれる。
そして「じゃあさ、うどんのコシって何?」とか聞かれた奥田。「あの~…のり?(ご飯粒みたいにくっつくのり)…ねばりけ?」と答えるが「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
岡村は「茹できれてないんじゃないですか?(単純に水分が行ききってない状態というか)…」というが「茹で方で決まるの?」と逆に聞かれ、困る。
生駒は、「(出身地の)秋田のほうは稲庭うどんで、それもそれの個性があって…」と言うと、稲庭の硬さの順位を聞かれる。「1位が讃岐なら(稲庭うどんは)関西の柔いうどんよりは硬いと思うので、(関西のうどんは)3位で、稲庭は2位」という。
岡村は「タモリさんは『うどんはコシじゃない』とずっと言ってました」という。
〇チコちゃんの答え
⇒うどんのコシは網の目
うどんの「コシ」はタンパク質が関係している
詳しく教えてくれるのは、工学院大学食品化学工学研究室の山田昌治教授。
「うどんのコシというのは、うどんに含まれているタンパク質が関係している」という。
豆腐には原材料の大豆のタンパク質が入っているし、うどんにはうどんの原材料である小麦粉のタンパク質が入っている。
うどんに含まれているタンパク質には「グリアジン」と「グルテニン」という成分があり…
・グルテニンは弾力があって反発する力が強いタンパク質
・グリアジンは粘り気が強く、切れにくいタンパク質
「この二つのタンパク質がより強力になるのがうどんを作る工程にある」と先生は言う。
うどんを作る工程
小麦粉に食塩水を加える
うどん粉(小麦粉)に食塩水を加えると、ゴムのような「グルテニン」と、粘り気のある「グリアジン」が結合して、より強力な「グルテン」というたんぱく質ができる。
山田先生は世界で初めてうどんのグルテンを鮮明にとらえることに成功した。
その画像は白黒で、網目のようになっているのがわかる。(このグルテンの画像を見るためになんと200人もの研究者が集まったという貴重な一枚だという)
先生は「この網目状の構造がコシの正体=グルテンなんです」言う。
つまり、弾力があるグルテ二ンと粘り気のあるグリアジンが結びつき、より強力になったこの網目こそがコシの正体。
コシを強くする足踏み
さらにこのコシをさらに強くする作業が足踏み。
生地を踏めば踏むほど網目がさらに絡み合い、その後生地を寝かせることでより強度が増し、うどん独特のコシが生まれる。
こうしてできたうどんは、90%が炭水化物であるデンプンと残り10%がタンパク質(グルテン)。茹でることによってデンプンは柔らかくなるが、タンパク質はそのまま残るので、ゆであがったうどんにもコシがしっかり残っている。
茹で方や生地の作り方によって、様々なコシのうどんができる。
それによって日本各地には色々な食感を持った色々な種類のうどんが存在している。
日本全国ご当地うどん「コシの強さ番付」
ここからは、山田先生が選ぶ「全国ご当地うどん コシの強さ番付」の紹介。
関脇…程よいコシのうどん
「コシがあるうどんと言えば、ご存じ讃岐うどんですよね」と先生。
うどん消費量一位の「香川県 讃岐うどん」。
網目状のグルテンを良く絡ませるため練りあがった生地を
・足踏み⇒5分~10分
・寝かせる⇒30分
この工程を7回繰り返す。
・茹でる時間⇒およそ20分
強度を増したグルテンがほどよいコシを作り出している。
讃岐うどんはコシを感じられるように生醤油をかけて食べるのがおすすめ。
スタッフの感想=「やっぱコシがある。歯がトランポリンを飛んでいるような…」
大関…かなり強めなコシのうどん
「秋田県 稲庭うどん」と「長崎県 五島うどん」
稲庭うどんは讃岐うどんとは違い足踏みはなく
・手でこねる⇒およそ3時間
・寝かせる⇒およそ2時間
コシの強度を上げるために生地を細く伸ばし一晩寝かせる
さらにコシを出すためにねじる
(網目構造は、ねじる事によって、よりコシの強い構造に変わっていく)
ねじった麺を2時間寝かせ麺を平たくしてからさらに2時間寝かせた後に乾燥させて最後に一晩寝かせ、コシの強さをアップ
・茹で時間⇒3分。
五島うどんもこれとほぼ同じ工程。
スタッフの感想=「しっかりしている。お相撲さんみたい。(周りは弾力がある。軟らかさがある。真ん中には筋肉みたいなコシがグッと残っているようなうどん)」
〇横綱…日本で一番コシが強い
「山梨県 吉田のうどん」
日本一コシが強いと言われている味噌ベースのスープを使っった吉田のうどん(の写真)
一般的に
・足踏み⇒約40分
・寝かせ時間⇒長いお店ではまる2日
・茹で時間⇒3分と短いのが特徴
取材したお店では
・足踏み⇒専用の機械を使って1.2トンのプレスを4回(人の手では実現できないコシの強さを実現)
・寝かせ時間⇒1晩寝かせる
・茹で時間⇒9分
スタッフの感想=「確かにすごい弾力。水を含んだ圧縮された雪みたいな(?)感じ」
昔から織物産業が盛んだった富士吉田市。
働き手のほとんどが女性だったため、力が強い男性がうどんを打ったことからコシの強い吉田のうどんが生まれたと言われている。
その他のうどん番付
ちなみに…
・だし汁に薄口醤油を加えた「京都府 関西風うどん」のコシは前頭14枚目あたり。
・麺が柔らかい事で有名な「福岡県 博多うどん」は序二段あたり。
日本一コシが弱いのは三重の伊勢うどん
日本一コシが弱いと言われているうどんは「三重県 伊勢うどん」。相撲で言えば序の口あたり。
伊勢うどんは
・足踏み⇒約10分
・寝かせ⇒一晩
大きな違いは
・茹で時間⇒30分
長い所では、1時間かけてゆでるお店もある。
さらに伊勢うどんは軟らかくするために、茹でたあと麺を30分蒸らしてようやく完成。
もともとお伊勢参りでつかれた客でもが食べられるようにと作られた伊勢うどん。
甘めの溜まり醤油とかつお節を混ぜて食べる。
スタッフの感想…「んー、柔らかい。麺の中心にコシってうどん残ると思うんですけど全体的にそれがなく真ん中までスッと歯が入る感じ、すぐ切れますね、これは」
ちなみに、うどんをここまで研究をしている先生だが、一番好きなのはスパゲティらしい。
家庭で簡単にコシを出す方法
(山田先生によれば)ポイントは1リットルの水に対し梅干しを2つ入れて麺を茹でる
・理由…お湯を酸性にすることでデンプンが溶け難くなり、残ったデンプンとタンパク質があいまってよりコシのあるうどんに仕上がる。
※11月1日の「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋
まとめ
日本には、いろんなコシの強さのうどんがありそれぞれいろんな作り方があって、中には想像以上の手間がかかっているものがあることに感心した。
○○で□□なものを集めてみた!~チコちゃんの働き方改革!
岡村はテレビデオって知ってる?と言う言葉から始まった、今回の働き方改革は…。
タイトルは「○○で□□なものを集めてみた」
例えば
・テレビでありビデオでもある(テレビデオ)
・スプーンでフォーク
・スリッパでモップ
などがある。
そして今回、紹介したものは…
〇ボールでありアイスクリームメーカー
ボールの中にアイスクリームの材料である生クリームや砂糖、バニラエッセンスを入れ、反対側の穴には氷を入れ、あとはボールを動かして遊んでいるだけ。材料が氷で冷やされ、早ければ10分でアイスクリームが出来る。
〇車であり潜水艦
地上を走っていたままの状態で水中も移動できる優れもの。
しかしオープンカーなので乗っている人には酸素ボンベが欠かせない。
〇ビルであり滝
中国南西部にある貴州省にある高さ121mの高層ビル。
滝の高さは108mでおそらく世界一高い人口の滝。
ナイアガラの滝(落差57m)の2倍ほどの落差がある。
この滝は、観光都市の目玉になるようにと、ビルのオーナーのアイディアで作られた。