生演奏の時は音が出る場所は、それぞれ違う場所なのに、スピーカーの場合は全部の音がスピーカーから出ている。なんで一つのスピーカーからいろんな音が同時に出せるの?
今回は、こんな質問から始まった。
最初、何を聞きたいのかよくわからなかったが…
なるほど、そういえばなぜだろう?
10月18日の「チコちゃんに叱られる!」の最後の問題は「スピーカーから出る音」について。
チコちゃんに「この中(岡村隆史・戸田恵梨香・北村一輝)でいろんな音楽をたしなむ素敵な大人ってだあれ?」と聞かれ、岡村が「…音楽は聴きますか?」とゲストに二人に尋ねる。
二人はお互いを指すが戸田が「お父ちゃん!(北村)」と言うと北村が「お父ちゃん、聞きますよ」と大きくうなずく。が、岡村はわざと「じゃぁ、戸田さんで」と戸田を指名する。
なんで一つのスピーカーからいろんな音が同時に出せるの?
チコちゃんが戸田にスピーカーの写真を見せる。そして「ちょっと考えて欲しいんだけど、目の前でオーケストラの生演奏を聴いている時は、『バイオリンの音はバイオリンから』『トランペットの音はトランペットから』『フルートの音はフルートから』聞こえる。
…が、オーケストラの演奏をCDとかで聞く時はスピーカーから聞こえる。生演奏の時は音が出る場所は、それぞれ違う場所だったのにスピーカーの場合は全部の音がスピーカーから出ている。なんで一つのスピーカーからいろんな音が同時に出せるの?」と聞く。
戸田は、わからないという顔で唇をとんがらせる…。(かわいい!)
そして「何でかな?…音の周波数がいくつもある。その周波数とスピーカーが受け取れる周波数がおんなじ所にある」と答える。
戸田の言ったことを上手くまとめられないチコちゃんだったが「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」というと、戸田も「わから~ん、ははは」と笑ってしまう。
北村も聞かれると戸田のマネをして唇をとんがらせ考える。岡村に聞いてもやっぱり戸田の真似をするので、最後にチコちゃんは、3人同時の「唇をとんがらせる画」を欲しがった。
〇チコちゃんの答え
⇒一つのスピーカーでいろんな音が出せるのは、耳で音をバラバラにしているから
音に、固有の振動があり、全ての音は一つの波形
詳しく教えてくれるのは、音と聴覚に詳しい電気通信大学大学院情報処理工学研究科の小池卓二教授。
先生は「そもそも音とは、耳が感じる空気の振動の事」という。
例えば両手を叩いた音が聞こえるという事は、空気の振動が私たちの耳に伝わった、という事。
あらゆる音には、固有の振動があって、全ての音は一つの波形で表すことができる。
例えば…太鼓をたたいた時の音の波形を見ると一つの波形になっている。
トライアングルも一つの波形になっていて、この二つを比べてみると音の大きさや高さ(つまり音)の違いによって固有の波形になっているのがわかる。
人間の声は?…という事で「阿佐ヶ谷姉妹の声の波形」を比較してみた。
どれだけ音が重なっても一つの波形になる
1人の時の波形は
姉の恵理子の声と妹の美穂の声、二人共「ラ」の声を出してもらい、それぞれの波形を見ると、違いがあるのがわかった。
同じ「ラ」の音を出していても、それぞれ違う一つの波形になる。
2人が同時に「ラ」と言った時の波形
では、二人が同時に「ラ」と言った時の波形は…
二つの音が出ているのに波形は一つしか出ていない。
二つの音が同時に聞こえたとしても、波形にすると一つになった。
⇒二人の声が同時に聞こえるという事は、一つの音なので波形は一つということ。
⇒2つ以上の音が一つの波形になるという事は、人の声に限らず楽器が加わっても一つの波形になる、ということ。
実際、二人の声とピアノ、シンバル、トライアングルの音を加えても、どれだけ音が重なっても一つの波形になった。
⇒2人の歌声の波形、ピアノの波形がそれぞれあるが、歌声とピアノが同時に鳴ると互いが影響し合ったひとつの波形になる。
これはどれだけ音が重なっても同じで、これだけ複雑に楽器の音が重なったオーケストラでも波形にすると一つ。
スピーカーの働き
逆に言えば、この波形通りに空気を振動させることが出来れば,どんなに複雑な音でも再現できる。それをしていたのがスピーカー。
スピーカーが波形通りに空気を振動させ、我々の耳にオーケストラの音を再現して伝えている。
スピーカーの中はコイルと磁石、コーン紙という紙が入っている。音の波形を電流の量と方向(つまり電気の流れ)で再現しコイルに流すと磁石と反応し波形通りに振動。
コーン紙を伝わって空気の振動を生む。
これがスピーカーの音を出す仕組み。
スピーカーはどんな複雑な音の波形でも空気を振動として再現し私たちの耳に届けてくれる。
このスピーカーから出てくるのは、あくまでも一つの波形で表される一つの音。
しかし私たちの耳は、同時に聞こえる楽器や歌声を聞き分けることができる。
同時に聞こえる楽器や歌声を聞き分けることができるのはなぜ
私たちの耳は、同時に聞こえる楽器や歌声を聞き分けることができるのは人間の耳の中にある有毛細胞が音をバラバラに分解しているから。
耳に入った音(空気の振動)は鼓膜を通り蝸牛(かぎゅう)という所に伝わる。
蝸牛の渦巻の中には音を認識する細胞がびっしりとある。
内有毛細胞
この細胞は「内有毛細胞」と言って、音の高さに反応するセンサー。
江理子さんの低い声は、奥の方で反応し、美穂さんの高い声は、入り口付近で反応する。
もっと複雑な音の場合でも、蝸牛の中を通る時、その中の内有毛細胞が音の高さによってバラバラに反応する。
それをバラバラの電気信号にして、脳に伝えることで音をバラバラに判別している。
スピーカーからは一つの音しか出ていない。
しかし耳が音をバラバラにすることによってあたかもいろいろな音を同時に出しているように聞こえている。
一つの波形を振動として再現し音を出すスピーカーその原理を形にし、スピーカーの元となる蓄音機を発明したエジソンはやっぱり偉大だ。
愛ちゃん情報
人間に限らず耳を持っている多くの動物には有毛細胞があって音を聞き分けている表面上耳の形の分からないカエルや魚でも有毛細胞があって音を聞き分けている、そうだ。
まとめ
チコちゃんによれば、阿佐ヶ谷姉妹は本当の姉妹ではない、そうだ。そして阿佐ヶ谷姉妹のマネージャーは大竹まことさんの息子さんらしい。
その息子に大竹まことさんから電話があり「『お爺ちゃん今度チコちゃんでスペシウム光線出すから見て!』と孫に伝えてくれ」と言われたそうです。
それは、過去の放送「スペシウム光線はなぜあの形?」の回の時の事らしい。その時の映像が流れると北村が「いいな、これ!」という。
いいな…というとやらなきゃいけなくなるとチコちゃんが言うと北村がすかさずスペシウム光線を出す!それを見た戸田と岡村もそれそれの光線を出しチコちゃんに当てる。
「これ見たら、またあ~あとなるのよね」と岡村が言うと、チコちゃんが「でも中野さん(CGチーム)大喜びだと思います!と言った。(思うに、追加のCG作業が大変だという意味の岡村の言葉だが、中野さんはこういうの好き、という意味ではないかと…)