炭の消臭剤…
そう言えば、冷蔵庫の中に置いてあるが、これいつから置いてあったかな?
まだ効いているのだろうか?
効かなくなる目安は何だろう?
…と、いう疑問が今回解決するかな?
9月7日放送の「チコちゃんに叱られる!」。
最後の問題は「炭」の話。
チコちゃんに「この中(岡村隆史・吹石一恵・星野源)で一番いい匂いがする素敵な大人ってだあれ?」と聞かれると岡村は「お二人ともいい匂いがしますよ」という。星野は「何で知ってるんですか?」と突っ込む。
岡村は「ここは源さんでいきましょう!」と星野を指名した。
なんで炭を置くとニオイがしなくなるの?
炭は、玄関やトイレ、冷蔵庫にも入っていたりするが、チコちゃんが「あれ、何やってんの?」と聞く。星野は「消臭!(消臭ってことは匂いを?)消す!」と答える。
するとチコちゃんが「なんで炭を置くとニオイがしなくなるの?」と聞く。
星野は無言で考えているようだが「今『えーと』と言わないように頑張っているが、言わないと何も思いつかない」という。
※星野は、別問題で取り上げた案件【何で『あのー』とか『えーと』とか言うの?】を気にしていた
チコちゃんは「言った方がいいのよ、(脳が)活性するから」というと…「えーっと、えーっと…よくマイナスイオンとか言いますよね。マイナスイオン的なものを炭が出してて、そこで血みどろの殴り合いが…ニオイの元との…消臭だからピシャっとやってニオイがなくなる」それを聞いたチコちゃん「ハイ!ぼーっと生きてんじゃねーよ!」という。
すると吹石が「星野さんは消すニオイだとおっしゃったんですけど○○(ピヨピヨ)…」と、本日2回目の正解が出た。
◯チコちゃんの答え
⇒炭を置くとニオイがしなくなるのは、とんでもない数の穴という穴にニオイがひっかるから
ニオイは消えているわけではない
詳しく教えてくれるのは、穴が開いたミクロの物質を研究し炭の事もよく知る、京都大学アイセムス特定助教の樋口雅一先生。
(先生は見た目ちょっと変わったメガネをかけていた。リンゴと三角フラスコとミジンコ『物理と化学と生物』を表わしているという。スタッフが「今日ずっとつけている感じですか?」と聞くと「僕の正装なんで。親しみやすいでしょう」という)
先生は「炭を置くとニオイが消えるというが正確に言うと、ニオイは消えているわけではない」という。
それを確かめるため実験室へ…
炭の消臭実験
1時間ほど前に瓶に納豆を入れて、そのニオイを貯めていたという。
先生はこの瓶に炭を一日入れてどうなるか、という実験をするという。
部屋の中のニオイレベルは(器具を使って測定すると)0。
納豆のニオイが入った瓶の中のニオイレベルは740。
これに活性炭という冷蔵庫の脱臭剤の材料に使われている炭を入れて一日置いておく。
翌日…
瓶の中のニオイを計測すると数値は207。
炭を入れる前と比べるとニオイは1/3になっていた。
スタッフが瓶の中のニオイを嗅いでみると「ニオイ全然しないっすね」というほど、ニオイはほとんどわからないくらいになっていた。
次は瓶の中にある炭のニオイをにおってみるスタッフ。
すると「する!あの粘々の臭いがします」という。
活性炭の穴に引っかけているだけ
先生は「炭が納豆のニオイを消したり吸収したりしているわけじゃない。活性炭の穴に引っかけているだけなんです」という。
ニオイ、とは、空気中の埃、花粉、カビ、細菌などが作り出す、とても小さなニオイの元が混ざり合っている。炭はこのニオイの元をミクロの穴で捕まえるのだという。
炭の表面を1000倍に拡大してみると、蜂の巣のようにスカスカで、この穴という穴にニオイが引っかかることで空気中のニオイの数が減り、ニオイがしなくなる。
先生は、ピーナッツ人るぐらい(1gぐらい)の大きさの炭をスタッフに見せて「(この炭には)大体500㎡=学校の体育館ぐらいの広さの表面積がある」という。
(この先生が持つ一粒の炭には、髪の毛の断面とほぼ同じサイズのミクロの穴がたくさん開いていて、その穴をすべて広げるとちょっとした体育館くらいの面積になるというのだ。)
つまり炭はミクロの穴がたくさんあるおかげで、とんでもないスペースを持ち、そこでニオイを捕まえているということだ。
例えば、300gの炭であれば…東京ドームおよそ3個分の面積でニオイを引っかけていることになる。
しかし穴は無限ではないので、ニオイが溜まるとひっかかる場所が減りだんだんニオイを捕まえられなくなってしまう。
PCP(多孔性配位高分子)という新素材
先生は「この小さな小さな穴の研究をしてですね、この研究所で開発している新素材があるんですよ」という。スタッフはその素材を見せてもらう。
PCP(多孔性配位高分子)という新素材で(見た目はコークスとかペレットのような感じ)炭を超える脱臭効果があるというすごい素材だという。
ここで先生は、さっきとは違ったメガネをかけている。スタッフが突っ込むと「これで、炭とPCPの違いを説明する」といい、先生が両脇に付いている竹串のようなものを引っ張る。すると上部にあったニオイの分子が落ちてきて下の炭とPCPの穴に入る…というもの。
ニオイを捕まえる穴は炭は2箇所だが、PCPは9ヵ所もある。
結果、炭の方には2個ほどしか入らないがPCPの方には7個も入った。
ノーベル科学賞候補の驚くべき機能とは
PCPは炭よりも多くの穴が綺麗に整列しているため、より多くのニオイをキャッチできる。
他にも多くの機能を持つPCPの研究は、ノーベル科学賞候補と言われている。
人類を救うかもしれない驚くべき機能が…
今度はスタッフがPCPの入った瓶を渡され、その匂いを嗅いでみる。「別にニオイがしない」と答えると、先生はその瓶をおよそ40度のお湯で温めて、またスタッフに渡す。
再びニオイを嗅いだスタッフは「これ、まさか焼肉ですか?」という。
先生は「その通り!」という。
PCPはニオイを閉じ込めるだけでなく、温めることで好きな時にニオイを取り出すことができる。これがあればホームシックの時に実家のニオイをかいで落ち着いたり、昔食べたごちそうのニオイを再び嗅いだりすることができる、という。
先生は「ちょっといい焼肉屋さんのニオイをこのPCPに閉じ込めてきました。これだけで白飯3倍はいけますよ。」といい匂いを嗅いで本当にご飯をかきこんだ。
いつかこのPCPが人類の未来を変える日が来るかもしれない。
※以上9月7日放送「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照
まとめ
チコちゃんによれば(先生は)PCPの研究では実用化に向けて政府のバックアップを受けるほど最先端の研究をされている1人。※生鮮食品の防腐、砂漠で空気からの水分確保など他分野での活用に期待!今年のノーベル化学賞の発表は10月9日だ。