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なぜ松竹梅は縁起がいいの?

チコちゃんに叱られる

松竹梅…寿司屋と言えば、最近は「くるくる寿司」オンリーなのであまり聞かなくなったが、昔行ったうなぎ屋とか蕎麦屋のメニューに、そんなのがあったような気がする。

先輩のおごりで、値段を気にして「松」は頼めなかった…そんな記憶がよみがえる。

7月7日の「チコちゃんに叱られる!」最後の質問は松竹梅について。

なぜ松竹梅は縁起がいい?

「お寿司屋さんが似合う素敵な大人」という事で…岡村が「似合うようになりたいです!」と手を挙げた。

チコちゃんに「握りのセットがあった場合、松・竹・梅どれを頼む?」と聞かれ「一番高いのいく」と答える。

さらに「なんでお寿司のグレードを表わすのに『松竹梅』を使っているのかしら?」と聞かれ「ええ、感じですもんね、松竹梅って。」と答えると「縁起がいいわね。なんで松竹梅って縁起がいいの?」と聞かれ…岡村は考える。

そして「お寿司って大体海のもの。海のものを山のもので例えるというのが言葉遊びとして高貴な遊びだった」と答える。チコちゃんは「なるほど…」というが、続けて「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言った。

◯チコちゃんの答え
⇒松竹梅が縁起がいいのは冬でも元気な植物だから

元になっているのは「歳寒三友」

詳しく教えてくれるのは文化人類学を研究している江戸川大学の斗鬼正一名誉教授。

教授は「お寿司屋さんなどが松竹梅と使っていますけど、元になっているのは歳寒三友というのがあった」という。

歳寒三友とは

歳寒三友とは、平安時代に中国から伝わった絵のテーマの事(宋の時代から始まった駐豪の文化画で好まれた画題)。
・歳寒…寒い冬の季節を指す
・三友…冬に友とするべき3つの植物を指す
色々な植物の組み合わせが描かれたが、松竹梅の3つが描かれたものが定番だった。

しかし、この画が日本に伝わった当時、中国では「歳寒三友」の画に「清廉潔白・節操」の意味があったが、特に縁起がいいという認識はなかった。

松竹梅はいつから縁起が良くワンセットで言われるようになったのか

では、いつから松竹梅が縁起物になったのか…

「松」の場合

松が縁起物となったのは歳寒三友が伝わった頃と同じ平安時代で、宮廷儀礼である「小松引き」が発祥と言われている。

小松引き…正月に野に出て若い松を引き抜いてくる風習のこと。

松は樹齢が長く、冬でも青々としていることから、引き抜いた松の木は「長寿祈願」のシンボルとして愛好され縁起物となったと言われている。

現在正月に飾られる門松は小松引きがルーツと考えられている。

「竹」の場合

竹が縁起物となったのは(松からおよそ600年後の)室町時代。竹は古くから庶民の生活用品として利用されていた。

室町時代に入ると「茶道」「華道」が流行、茶室や庭園に使われ竹のイメージがアップし、日本各地で多くの竹が栽培されるようになる。

広く根を張り、冬でもすくすくと伸びるその姿を見て、人々は竹を孫繁栄」のシンボルとして縁起がいいものと感じるようになった。

この頃から門松に竹が加わったと言われている。

こうして松と竹は縁起物として重宝されていたが…梅は長く縁起物と扱われてはいなかった。

「梅」の場合

梅は古くから「実は燻製して漢方薬」として珍重されていて、「花は観賞用」として親しまれていた。(しかしそれはあくまで貴族など特権階級のものだった)

梅が庶民の間で大ブームになったのは江戸時代。そのきっかけは、お米の育ちにくい痩せた土地に厳しい環境でも育ちやすい梅の栽培を奨励したから、と言われている。

こうして体にも良い「梅干し」が庶民の食卓に並ぶようになる。また日本中に植えられた梅の花を見ることを「梅見」と呼び、桜の花見よりも通として大流行した。

食べれば健康になり、厳しい寒さの中でも花を咲かせる梅は生命力の象徴として縁起物になった

江戸時代に梅が縁起物になったことで、松竹梅の3つが揃って描かれた歳寒三友が縁起のいい絵として庶民の間で大ブームになった

結論:だから松竹梅のセットは、縁起がいいものとして日本人皆に定着して、今に繋がっている。

松竹梅の順番に意味がある?

ところで、松が格上の松竹梅の順番に意味があるのか?

教授は「実は中国でも松竹梅に序列はない。なので、いろんな説があってはっきりしていない。でもたぶん『松竹梅」が語呂が良かったのではないか」という。

「語呂がいいから?」とスタッフが聞き返すと、教授は「松」「竹」「梅の」3つの漢字が張られてあるフィリップを取り出し、その漢字を並べ替えながらそれをスタッフに読ませる。

・竹松梅「ちくしょうばい」とスタッフが読むと「ちくしょうじゃあまりいいイメージじゃない」と教授。

・竹梅松「ちくばいしょう」とスタッフが読むと「ますます意味不明ですね」と教授。

・梅竹松「ばいちくしょう」とスタッフが読むと「ちくしょうですね」と教授。

・松竹梅「しょうちくばい」とスタッフが読むと「何といっても…これが語呂がいい、いいやすいじゃないかと思いますね」と教授。

スタッフは「なるほど…」と答えたが、ふわっとした(納得してない?)感じだった。

まとめ

こうして、一つ一つ説明してもらうと、なぜ正月の門松に松竹梅が飾られるのかも理解できるようになるから面白い。

※7月7日「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋

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