好きな「アイドル」は誰?と聞かれることはあっても「アイドルってなに?」と聞かれたことはない。ちなみに、今好きなアイドルは「どんぎつね姿の吉岡里帆」かな…
ン?
彼女って、アイドルかな?
12月21日の「チコちゃんに叱られる!」は「年末拡大スペシャル」。最後、6つ目の問題は「アイドル」についてだ。
チコちゃんが「この中(岡村隆史・陣内孝則・河北麻友子・高橋ひとみ)で一番、みんながあこがれる『素敵すぎる大人』ってだあれ?」と聞く。
カメラは陣内を映し、陣内も嬉しそうに自分かな?という顔をしながら「えー?」と言うが、岡村が「俺、行っていいすか?」と手を挙げる。意表を突かれる陣内、半笑いで「どうぞ」という。
アイドルってなに?
岡村がファンになったアイドルは柏原芳恵らしい。そこで「…アイドルってなに?」と聞かれると…「『スター』とかとよく似た言葉。スターって年重ねてスターになっていく…入口がアイドル」と答える。
さらに高橋が「アイドルは生身の人じゃない!」というと、答えが近かったのか、チコちゃんが食いつく。さらに「次元が違う!架空の人…」という。惜しい、という空気が流れる中、岡村が手を挙げて「アンドロイド!」と言ってしまい、結局チコちゃんに「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
◯チコちゃんの答え
⇒アイドルとは「形を与えられた神様」
答えを聞いた岡村「神様なの?アイドルって…お客様の方が神様じゃないの?」というと「僕もそう思う」と陣内もうなずいた。
聖書の中の「idol(アイドル)」とは
アイドルとメディアの関係を研究している大学教授によれば…
「アイドルという言葉の歴史をさかのぼると、キリスト教の聖書にたどり着く」という。
英語に翻訳された旧約聖書には、確かに「idol」の文字がある。ここで使われているidolという言葉の意味は「偶像」だという。
聖書における偶像とは本来「具体的に形のない神に、絵や像で形を与えたもの」を指すそうだ。
「形の無い神」を表わした偶像とは
実際、聖書に「本来は形の無い神を表わした偶像」が登場する。
聖書の、あるページには…
キリスト教徒にとっては異教徒の神である「金の子牛」の偶像を人々があがめている絵があった。(これは本来の意味での「アイドル」だという)
しかし、このようにアイドル(偶像を)崇拝することはキリスト教においてはタブーとされてきた。
教授は「偶像は神に有形(?)を与え、本来、唯一無二であるはずの神を簡単に複製できてしまうため、神のまがい物であると、作ることを禁じられていた」という。
「人間が勝手に神様に形を与えた偶像を崇拝することは偽物の神様をあがめているのと同じだ」と考えられた。
つまり、聖書におけるアイドルとは「まがい物」として批判を受ける対象だった。
20世紀のアメリカでは
20世紀のアメリカでは、若者を中心にジャズやロックなど新しい音楽が流行していた。
大人たちは、若者が熱狂するこの新しいミュージシャンを「流行に乗って一時的に活躍しているだけのまがい物」である、という皮肉を込めて「アイドル」と呼んだ。
(当時のアメリカではアイドルという言葉はマイナスの意味で使われていた。)
「アイドル」という言葉は日本で独自の進化を遂げた
やがて「アイドル」という言葉は、日本に伝わってくると、独自の進化を遂げた、という。
宗教観の違いでマイナスイメージがなくなる
その背景にはアメリカと日本の宗教観の違いがあり、日本では(アメリカと異なり)神に形を与えた偶像を崇拝することは必ずしも悪ではなかった。
例えば…
お寺にある仏像や仏壇、お店にある恵比寿様の置物など一種の偶像と言える。
この違いにより「アイドル」という言葉から、まがい物というマイナスの意味合いがなくなり、単に若者が熱狂する対象を表わす言葉に変わってきた。これが現在のアイドルという言葉の始まり、だという。
アイドルという言葉を日本に定着させた「スター誕生!」
アイドルという言葉を日本に定着させた番組が、日テレの「スター誕生!」(テレビ史上初の公開オーディション番組)。
芸能界を夢見る、多くの少女たちがこの番組を通してデビューし、後に伝説のアイドルとなっていった。
スター誕生を通して生まれたアイドルたちは、必ずしも最初から完成された実力を必要とされず、むしろその成長過程も一つの魅力として考えられた。
この若者の「成長過程に立ち会い応援するという文化」が根づき、日本のアイドル文化は現在まで続いていく。
大きな変化を与えた「おニャン子クラブ」
そのアイドル文化に大きな変化を与えたのが「おニャン子クラブ」(1985~1987活動)。
メンバーの卒業と加入が繰り返され、累計50名以上が在籍した、当時では異例のグループだった。
大人数でメンバーの入れ替えが行われるのは、もともと神様を表わしていることを考えると、アイドル界の革命と言えるのではないだろうか。
(それは)AKB48や乃木坂46などにも受け継がれている。
教授は「AKB48のファンの文化として、総選挙で選ばれた上位7人を神セブンと呼ぶというのある。アイドルの歴史を考えてみると、この言葉(神)を使われるというのは偶然ではないかもしれない」という。
結論:このようにアイドルというのはまがい物という意味から人々のあこがれの存在へと変化を遂げた
最後にスタッフが「教授にとってのアイドルは?」と聞くと「ももクロ」という。
「彼女たちは神です!」と彼女たちの横断幕?旗?をもって嬉しそうに答えていた。
まとめ
テーマがアイドルという流れの中、これまでこの番組のゲストとして出ててくれた「高橋みなみ」「藤本美貴」「島崎和歌子」の変な表情の写真が出た。
すると「この方も、この方も、この方だってみんな元神様という事でしょうか?」というディスり?ナレーションが入った(笑)。
そして…
今回はニューヨーク育ちの河北がいるからか、ちょこちょこいろんな場面で英語が出てきた。
岡村がチコちゃんの質問に答えた時「それ(その答え)はどっからきてるの?」と聞かれると突然「IDOL(ドール)」と英語っぽく答えた。河北は「意味が分かんない」と笑う。
すると今度はチコちゃんが『チコちゃんに叱られる!』のサブタイトル「Don’t Sleep through life!」を突然英語で言うという…なんか変な空気だったことが何度かあった(笑)。
※12月21日「チコちゃんに叱られる」より参照・抜粋