「年取ると、涙もろくなるよな!」
と映画やTVを見ていて、感動し泣いてしまうと気恥ずかしいので、ついこう言ってしまう。
そう言いながらも、年を取ったことと涙もろいことがどうつながるのか、残念ながら考えたことはない。
結果的には、前回に引き続き「前頭葉のブレーキが利かない」老化現象の一つがまた明らかになった、ということか…
11月16日の「チコちゃんに叱られる!」3つ目の問題は「涙もろい」について。
歳を重ねると涙もろくなるのはなぜ?
チコちゃんが「この中(岡村隆史・はいだしょうこ・大竹まこと)で一番涙もろくて、素敵な大人ってだあれ?」と聞くと「順番的に、俺行こうかな」と岡村。
チコ「岡村さ、最近泣いた?」
岡村「甲子園、負けた選手のインタビューとか…わぁ~となる」
チコ「今の方が涙もろいわよね?なんで歳を重ねると涙もろくなるの?」
すると岡村は「これはね、人間の体の仕組みなんですよ。…動かなくなるじゃないですか、年いってくると、運動不足というか…身体の水分を外に出しにくくなってきている。それをどう出すか…それは涙。身体の水分を外に出さなければいけないから!」と答えるが、「岡村、ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われる。
○チコちゃんの答え
⇒歳を重ねると涙もろくなるのは脳のブレーキが緩むから
「涙もろい」は気持ちが動いて出る涙
大学で脳科学を研究している教授によれば…
涙には大きく分けて2種類ある
1 目を(乾燥やごみから)保護するため涙
2 感動したり気持ちが動いたりして出る涙
年を取って涙もろくなっているのは、2の涙の方。
歳を重ねて出る涙は、感情が刺激されて出るもの、だという。
涙もろさは世代でどのくらい違う
番組では、涙もろさは世代でどのくらい違うのか、調査してみた。
年代別涙もろさ調査
10代~60代の男女2名ずつに同じ映像を見てもらいなみだもろさの検証。
(50代に涙もろい事で有名な女優の柴田理恵さんが参加)
➀の映像…逆上がりに挑戦する少年
内容:鉄棒が苦手な6才の男の子の特訓風景
結果:子育て経験のある40代の男性や男の子の母親と同世代の女性が涙
感想
「子どもが出来てから涙もろくなった」
「感動した」
➁の映像…家族のために海に出るマグロ漁師
内容:家族のために厳しい海に出るマグロ漁師の親子に密着した映像
結果:子育てを終えた世代の60代前半女性が涙
感想「家族のためにとし老いてもがんばっている姿を見たら涙が出てきた」
・自分と同世代の人物に共感し涙があふれた
・家族愛に60代女性が感動
➂の映像…親を追いかける海鳥のヒナ
内容:海鳥のひながすだちを控え親鳥に追い付こうと頑張るヒナの映像
結果:柴田が反応したが、涙は出なかった
ちなみに…
未婚一人暮らし20代前半の男性の感想は「全体的に楽しく見せてもらった」
未婚・実家暮らし10代後半女性の感想は「涙というよりは笑顔が出る」
総合結果
・年配層=感動、悲しい涙
・若年層=楽しい、面白い
と世代によって感想が大きく異なる結果になった。
年代によって感想が異なる理由
先生によれば…
「年を取ると共感力が上がってくる」という。
共感力が増える
感動したり、感情が沸きおこるには自己投影が出来ていたり、共感が出来たりという事が必要。
年を取った人ほど、たくさんの経験を積んでいるので、いろんなところで共感ができるというところで涙もろくなる。
結論:経験が増える=共感が増える=涙もろくなる
他人に共感する能力は、色々な経験が蓄えられた50代にピークを迎える。
脳のブレーキが緩みやすくなっている
涙もろくなる決定的な理由は…「脳のブレーキが緩みやすくなっているから」
脳のブレーキとは…自分の気持ちの変化とかを抑制する力のこと。
脳の前頭葉には感情を抑制する働きがある。
その能力のピークは20代前半と言われ、その後は年齢とともに衰えてゆく。
30、40、を過ぎたあたりから涙もろくなってきてそれが加速していく。
結論:抑制力(ブレーキ)より共感力(アクセル)が強くなり脳のブレーキが緩む
歳を重ねてから流す涙とは経験によってゆたかになった感情が、それを抑えるブレーキが緩んだことでこぼれ落ちたもの。涙もろい人は多くのことに共感できる優しい人と言える。
まとめ
冒頭、岡村が質問に答えようとするのを無理やり抑えて「口挟んで悪いんだけど」と大竹が最近泣いたエピソードを話す。
ファストフード店で3~5歳ぐらいの子供がいっぱい水を入れたコップを二つ、こぼさないよう運ぶ姿を見て号泣した、という。
「…いいんだけど、岡村の話を待てなかったの?」と聞くチコちゃんに岡村が、「脳みそのブレーキ利けへんから!」というとチコちゃんも「なるほど!」と納得していた。
これは前回の「なんでおやじは「おやじギャグ」を言うの?」で勉強したことに由来する。
笑った。
※11月16日「チコちゃんに叱られる!」参照・参考