くしゃみをすると「誰かに噂されてる」と言うのはなぜか?
昔は、くしゃみはをすると魂が落ちて悪霊が入る…と思われていたらしい。
それを「防ぐため」のおまじないが「噂」に繋がった?
くしゃみをすると「誰かに噂されてる」と言うのはなぜか?
8月31日放送の「チコちゃんに叱られる!」の二つ目の質問は、視聴者の5才(らしき)皆さんから出された質問だった。
チコちゃんが突然くしゃみをする。
そして「風邪でも花粉症でもないのにくしゃみがでちゃった。岡村、何のせいだと思う?」と聞く。岡村は「誰かが噂してる…という人おったよ」と答える。
「なんで?くしゃみをすると誰かに噂されてるっていうの?」とチコちゃん。
岡村は「風の噂とか言うでしょ…風を起こしてるから誰か噂してるな…」と何とか説明しようとするが苦しくなって、小さな声で他の二人に助けを求める。
そこで八嶋が演技付きで説明しようとして、関根も協力するが「(皆まとめて)ぼーっと生きてんじゃねーよ」と言われる。
○チコちゃんの答え
⇒くしゃみを誰か他の人のせいにするため
「え~、そういう事ですか?」と意外な答えに驚く八嶋。
くしゃみは誰かのせいで出るもの
民俗学の視点から日本の文化を解き明かす教授によれば…
くしゃみは「不意に出てしまうもの」、古くから「誰かのせいで出るもの」と考えられていた。
民俗学の考え方
くしゃみを出させるのは「悪い誰か」「いい誰か」、という二通りのとらえ方があった。
悪い誰かか=物の怪(もののけ)
昔は風邪で命を落とすことがあったため、風邪の前触れでもあるくしゃみをすると鼻から魂が抜け出て、そこに悪霊が入り込んで死んでしまう(悪霊=もののけ)と考えられていた。
徒然草では「くさめくさめと唱えないとくしゃみをした子供が死んでしまう」と言う一説がある、らしい。
くしゃみの語源…おまじないで追い払う
そこで、くしゃみをした子供がもののけに命を取られないように「くさめ」というおまじないで追い払おうとした。
くさめの語源とは(諸説あるが)…くさめ=「くそハメ」「くそくらえ」と言う意味で汚い言葉を浴びせて、追い出そうとしていたらしい。
室町時代に「くさめ」は「くしゃみ」という行為自体を表す言葉になった。
沖縄では「くすけえ」と言う
沖縄ではおまじないの言葉を使っている、という事で番組スタッフが銀座にある沖縄のアンテナショップに行き店員に確かめてみた。
女性の店員さんの前でスタッフがくしゃみをすると「くすけえ」と言ってくれた。
その店員によれば「傍にいた人がくしゃみをしたら『クスケェ』と声をかける。くしゃみをした時に魂が一緒に落ちてしまうからおまじないとして魂を落とさないよー…みたいな感じでクスケェと言ってます。」と答えていた。
『クスケェ』はくしゃみの後のおまじない(くそくらえが語源)らしい。
くしゃみの後に言葉を唱える習慣は世界中にある
くしゃみの後に言葉を唱える習慣は世界中にあるらしい。
・アメリカ=God Bless you(神のご加護を)
・フランス=À vos souhaits(願いが叶うように)
・ブラジル=saúde(お大事に)
・マレーシア=Alhamdulillah(神の祝福を)
くしゃみは悪い事の予兆とする地域では、お祈りやお願いをする習慣があるそうだ。
「良い誰か」とは?
日本には、くしゃみを出させるのはもう一つの「良い誰か」と言う考えもある。
それがわかる記述が万葉集にあるという。そこの文章を訳すると「くしゃみが出てまたくしゃみが出た。いつも添い寝している妻がおもっているらしい」と書いてあるそうだ。
くしゃみは「愛する人が自分のことを想っているから出てしまうもの」と考えられていたらしい。すなわち「くしゃみを出させるのは良い誰か=実在する愛する人」という事。
「人の思いでくしゃみが出る」という考え方がいつしか「誰かの噂話」に変わっていったと考えられる。
教授は…
良い悪いにしてもくしゃみは不意に出て自分では止められないもの。うっかり出ると、とても気まずいので誰かのせいにしたいもの。その場を収めるやさしさから「誰かが噂しているんじゃないかな」と変わっていった、という考え方が自然だと言う、と言っていた。
まとめ
くしゃみをすると、「海外の方は共通して相手を心配する言葉になる」と八嶋。
アメリカ留学経験者の関根が言うには「…喧嘩中のカップルが喧嘩してても『Bless you』と言う」らしい。「ほんで、キスするやろ」と岡村が言う。そこで「くしゃみ一発、キス三錠」とチコちゃんのキメ台詞が出る。
ちなみに…
「くしゃみ」「くさめ」の語源は諸説あるそうだ。
※8月31日 「チコちゃんに叱られる」参照・参考